「リハビリには、身体機能を高めて『肉体的な老化』を改善することだけでなく、もう1つ重要な役割があります。それは『精神的な老化』を改善することです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1974年生まれ、中京女子大学(現・志学館大学)卒業後、関西女子医療技術専門学校理学療法学科(現・関西福祉科学大学)を経て、理学療法士として活動するリタポンテ株式会社取締役の上村理絵さんが書いた、こちらの書籍です。
上村理絵『こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方』(アスコム)
この本は、リハビリを提供する著者たちの役割は「幸せの再構築」であると考え、リハビリを通して、心身の「老化を防ぐ方法」、とくに家で1人でもできる「セルフリハ」を紹介・解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.こうして、人は老いていく
2.「肉体」と「精神」の老化を防ぐためのリハビリとは
3.老化を防ぐための「セルフリハ」のやり方
4.勝手に老化が予防できる環境づくりとは
5.100年時代をどう幸せに生き抜くか
この本の冒頭で著者は、「精神的な老化を防げぐことができたら、変化する体を受け入れ、身体機能の改善に前向きに取り組めて、肉体的な老化を防げるようになります。」と述べています。
本書の前半では、「こうして、人は老いていく」について以下のポイントを説明しています。
◆「老化の個人差」は、年を取ってからの方が、開いていく
◆ 自己肯定感が高いかどうかが、老化の個人差を生み出している
◆「精神的な老化」が進むと、自信の枯渇(自己肯定感の低下)が起こる
◆「精神的な老化」は60代になると急速に進む
◆「やりたいときに、やりたいことをやれる」ことは人生の幸福度に大きな比重を占める
◆ 認知機能と身体機能は、相互に密接に関連している
◆ 認知機能が低下している人は歩行速度が遅くなる
◆ 自分が体験した出来事を丸ごと忘れてしまうのは、認知症の典型的な症状
この本の中盤では、「肉体と精神の老化を防ぐためのリハビリとは」および「老化を防ぐためのセルフリハのやり方」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ セルフリハは、まず目的と目標を定め、小さな成功体験を積み重ねること
◆「転びやすい体」に変えてしまう見えない敵は、重力
◆ 重力に負けないよう「抗重力筋」を鍛えることが重要
◆ 歩けなくならないために、リハビリでバランス感覚を整える
◆「基本のセルフリハ」7つ:①肩甲骨はがし、②腰ひねり、③足パカパカ、④スーパーマン、⑤お尻歩き、⑥足グーパー、⑦リズムかかと落とし
◆ セルフリハ5つのポイント:①回数は少なめからスタート、②何かのついでにやる、③体の変化に気を配り、できた自分をほめる、④やったことを目に見える形で残す、⑤絶対に無理はしない
◆ 足腰が衰えた場合:①立ち座りスクワット、②片足立ち、③つま先立ち・かかと立ち、④イス足上げ
◆ 口回り機能のトレーニング:①舌出し、②ベロ回し、③パタカラ
本書の後半では、「勝手に老化が予防できる環境づくりとは」および「100年時代をどう幸せに生き抜くか」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 家事は「無意識のリハビリ」
◆1人で暮らしている人は「目」を増やす
◆ 要支援・要介護を予防するための「事業対象者認定」
◆ 社会参加は、運動習慣と同じくらい高齢者の死亡率低下に影響
◆ 医療×介護×自治体の連携のためビッグデータの利用を
この本の締めくくりとして著者は、「いつまでも元気でイキイキと生きていることが、間違いなく、あなたにしかできない社会貢献ですよ。」と述べています。
あなたも本書を読んで、衰えていく体との上手なつきあい方を学び、残りの人生を楽しめる体をつくりませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3540日目】