「特定の病院や医師がリーダーとなる従来の仕組みと異なり、ブロックチェーン型の地域包括ケアシステムは、参加者全員が平等に意見を述べ、利益を享受できるようになっており、お互いを信頼し合う関係性を構築しているため健全な運営が行われやすいという特徴があります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1974年生まれ、昭和大学医学部を卒業、消化器内科医として病院勤務、2010年に阿部胃腸科内科医院を継承、2021年4月より医院を移転し山の下クリニックと改名、在宅患者によりよい医療が提供されるためには、生活を支えるための介護・福祉職との連携が不可欠と感じ、2013年にネットワーク「山の下地域包括ケアネット」、通称「山の下ネット」を構築し代表を務める阿部行宏さんが書いた、こちらの書籍です。
阿部行宏『超高齢社会を支える「ブロックチェーン型」地域包括ケア』(幻冬舎)
この本は、著者が「山の下地域包括ケアネット」を構築するまでの経緯や現状の課題、今後の展望を通して、地域包括ケアシステムの新しいあり方を提言している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.従来の連携拠点型地域包括ケアシステムの問題点
2.「ブロックチェーン型」の地域包括ケアシステム
3.「ブロックチェーン型」の地域包括ケアシステムの効果的な運用方法
4.「ブロックチェーン型」の8つの効果事例
5.「ブロックチェーン型」の地域包括ケアシステムは進化する
この本の冒頭で著者は、「深刻さを増す超高齢社会において、立場や利害を超えたより良い多職種連携のあり方を考えるきっかけとなれば幸いです。」と述べています。
本書の前半では、「従来の連携拠点型地域包括ケアシステムの問題点」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ 地域包括ケアシステムの「セーフティネット」が拠点病院
◆ 拠点病院がヒエラルキーの頂点に立つ
◆ 医療と介護の情報共有は必須
◆ 植木鉢モデルの地域包括ケアシステム
この本の中盤では、「ブロックチェーン型の地域包括ケアシステム」および「ブロックチェーン型の地域包括ケアシステムの効果的な運用方法」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆「医療の機能分化」による副作用
◆ 組織の円滑な運営を実現する「ブロックチェーン」
◆「山の下ねっと」の5つの柱:①患者や利用者中心の情報共有
◆ ②小グループでの検討会、③住民への啓発
◆ ④顔の見える関係づくり、⑤問題点の共有
◆ 年2回の全体会で士気を高める
◆ 講演会とグループワークの実施
◆ 歯科との連携
◆ 会費制で情報共有ツールを活用
本書の後半では、「ブロックチェーン型の8つの効果事例」および「ブロックチェーン型の地域包括ケアシステムは進化する」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆「利用者ファースト」の社会を実現
◆ 医療分野の「BCP」
◆ 行政・クリニック・病院の3者を集める
◆ 開業医の役割
この本の締めくくりとして著者は、「地域包括ケアシステムが構築されれば、介護サービス事業者と在宅医療を提供する医療機関が密に連携することで、自宅にいながら必要なサポートを受けることができるようになり、家族など介護者の負担も軽減します。」と述べています。
あなたも本書を読んでブロックチェーン型の地域包括ケアシステム」を知り、家族や自らの介護に活用していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3517日目】