「ここ30年の日本のパフォーマンスを観れば、”衰退途上国” という形容も、理解できなくはありません。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年、鎌倉市生まれ、東京大学文学部卒、米国シカゴ大学社会科学大学院国際政治経済修士・同経営学修士で、マッキンゼー&カンパニー、フォルクスワーゲンドイツ本社、カーギルミネアポリス本社などを経て、NTTデータ経営研究所へ入所、同社パートナーを経て、2009年より明治大学国際日本学部教授となった小笠原泰さんが書いた、こちらの書籍です。
小笠原泰『日本人3.0- 新しい時代のルールと必須知識 -』(ワニブックスPLUS新書)
この本は、最新の日本人である「日本人3.0」になり、混沌とした時代に生き残ることとは、具体的にいったいどういうことなのでしょうか、と問いかけ、「どのような日本人像なのかイメージしてみたい」という方に向けて書かれた本です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.「最新」の日本人になれる人、なれない人
2.「日本人3.0」の必須知識ー政治・国家
3.「日本人3.0」の必須知識ー社会システム
4.「日本人3.0」の必須知識ー企業
5.「日本人3.0」の必須知識ー日本人
6.「日本人3.0」の必須知識ーメンタル
7.「日本人3.0」の必須知識ー判断と選択
8.「リスク」を取るか、回避するか、それが問題だ
9.「日本人3.0」になるために今からできること
10.「最新」の日本人として生きる
この本の冒頭で著者は、「このようにあげれば課題は無数にあります。日本は、世界的に見て『最先端課題解決実験国家』ともいうべき興味深い存在だと思います。」と述べています。
本書の前半では、「最新の日本人になれる人、なれない人」「日本人3.0の必須知識ー政治・国家」および「日本人3.0の必須知識ー社会システム」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ 日本人3.0になれるのは、過去との断絶ができる人
◆ 社会を変えたくない政治指導者層は多様化もしない
◆ 中間層を維持しつつ「やってる感」を出す
◆ 日本人3.0になるには、日本政府を頼らないこと
◆ 超高齢社会化とは社会は変わらない方向に向かうこと
◆「考えない」「中流幻想から抜けられない」日本社会
この本の中盤では、「日本人3.0の必須知識ー企業」「日本人3.0の必須知識ー日本人」「日本人3.0の必須知識ーメンタル」および「日本人3.0の必須知識ー判断と選択」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 事業のグローバル展開で変化を強いられる企業
◆ 異質性の理解とハードからソフトへの転換というグローバル発想が抜けない日本企業
◆ 自分の価値を高めるスキル獲得は会社依存でなく自ら進める
◆ 価値を持つ慣習が「文化」
◆ 日本人の得意:①思想信条なし、②饅頭文化、③精緻化、④視覚重視、⑤感覚重視
◆ 保守・伝統ではなく、持続的変容性
◆ 安心のためのリスク回避
◆ 既存の日本社会システムから外れてリスクを取る
本書の後半では、「リスクを取るか、回避するか、それが問題だ」「日本人3.0になるために今からできること」および「最新の日本人として生きる」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 自分の人生を自分でコントロールする
◆ 個人の労働サービスが物理的な拘束から外れる「アンバンドリング3.0」
◆ 何事にも「リスク」は存在すると考える欧米社会
◆「リスク」と「ベネフィット」はワンセット
◆「持続的変容性」は、不思議を取り込み、プロセスを精緻化
◆「こと的発想」は、再現性を気にせず、一回性を尊ぶ
◆「ノーリスク・マイナスリターン」(=リスクを取らないことが最大のリスク)
◆ いろいろな体験(チャレンジ)をして、自分のエッジ(強み)は何かを見つける
◆ 日本人の課題:①リスクを取らない、②平等意識、③英語ができない、の潮目は変化
この本の締めくくりとして著者は、「記憶に残る幕の内弁当はない」という秋元康氏の名言を紹介しています。
あなたも本書を読んで、「走りながら考える」姿勢を身につけ、決断力・知的反射神経・行動的瞬発力(試みる力)を持ってリスクを取る「日本人3.0」を目指していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3502日目】