「運のいい人とは『運を使いきれる人』であり、運の悪い人は『運を使いきれない人』あるいは『使いこなせない人』だと言える。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1949年岐阜県大垣市生まれ、慶應義塾大学法学部卒業後、不動産会社に就職するも入社10か月後に倒産、1978年に東京杉並区にわずか18坪のディスカウントショップ「泥棒市場」を出店、1989年に「ドン・キホーテ」1号店を東京・府中に出店、幾多の失敗や苦難を乗り越えながら急成長を続け、創業以来34期連続増収増益という驚異的な偉業を達成、現在はPPIH(旧ドンキホーテHD)創業会長 兼 最高顧問の安田隆夫さんが書いた、こちらの書籍です。
安田隆夫『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』(文春新書)
この本は、著者が人生とビジネスをかけて学んだ運のすべてを披露するもので、運に関するリアルな処世の書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.運という未開の大陸に分け入る
2.幸運の最大化と不運の最小化
3.運の三大条件ー「攻め」と「挑戦」と「楽観主義」
4.何が運を落とすのか
5.最大のキーワードは「主語の転換」
6.「集団運」という弾み車
7.自燃・自走の「集団運組織」をどう作るか
8.圧勝の美学を語ろう
この本の冒頭で著者は、「運は私にとって永遠のテーマであり、その運について語るのを本業(事業経営)以外の最後のライフワークにしようと思っている。そういう意味で、本書『運』は、いわば私の ”遺言” のようなものだ。」と述べています。
本書の前半では、「運という未開の大陸に分け入る」および「幸運の最大化と不運の最小化」について以下のポイントを説明しています。
◆ 中長期的な運は、本人の意志と努力でコントロール可能
◆「運の感受性」を研ぎ澄まし、潜在的なピンチとチャンスを見極める
◆「悲観論者」よりも「楽観論者」のほうが運に恵まれる
◆ 個々人に与えられる運に大差はない、使い方によって人生の結果は大きく変わる
◆ 思い切った「損切り」によって「再挑戦」は可能になる
この本の中盤では、「運の三大条件ー攻めと挑戦と楽観主義」「何が運を落とすのか」および「最大のキーワードは主語の転換」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ リスクをとらないのが一番のリスク
◆「楽観論者」であることが勝利と成功への近道
◆ 他人への気持ちを推し量れない「他罰的」な人たちは運を落とす
◆ 人は人のことなど分からない、見極めるには「時間のテスト」が必要
◆「主語の転換」とは、相手の立場に立って考え、行動すること
◆ 経営者が我欲と自我を消し去らないと、よい人材は集まらずお客様の支持も得られない
◆「顧客最優先主義」で、徹底して買う側に立った発想をする
◆ 曖昧さの許容は、運をよくするための秘伝のロジック
本書の後半では、「集団運という弾み車」「自燃・自走の集団運組織をどう作るか」および「圧勝の美学を語ろう」ついて説明しています。とくに共感できるポイントは以下の通りです。
◆「個運」を「集団運」に転化させるためには、経営者の情熱の渦に巻き込む
◆「集団運」の最大のカギは、現場への徹底した「権限移譲」
◆「私の成功」ではなく、「私たちの成功」を目指す
◆ 人を動かすには「指示と命令」ではなく「感謝とお願い」
◆ 仕事を「ワーク(労働)」ではなく「ゲーム(競争)」として楽しむ
◆ 独裁は組織を衰退・滅亡へと誘う
◆ 単なる「勝ち」ではなく、「圧勝」を美学として目指す
◆ エゴを捨てた瞬間に「圧勝」は加速する
この本の締めくくりとして著者は、「業態あって業界なし」のオンリーワン業態というブルーオーシャンで戦っているからドン・キホーテは圧勝できると説明しています。
さらに「周囲の人々に興味をもって理解し、優しさと共感を見せることが、良運を招く最も効果的な方法なのだ。」と続けています。
本書の巻末には、「巻末付録」として、「PPIHグループ企業理念集『源流』」(一部抜粋)が掲載されていて参考になります。
あなたもこの本を読んで、自らの「運」をコントロールして、人生を切り拓いていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3443日目】