「日本人が最も飢餓に陥りやすい可能性がある」と警鐘を鳴らしている本があります。
本日紹介するのは、1958年生まれ、東京大学農学部卒、農林水産省に15年ほど勤務した後、学会へ転じ、九州大学農学部助教授、九州大学大学院農学研究科教授を経て、東京大学大学院農学生命科学研究科教授、「食料安全保障推進財団」理事長の鈴木宣弘さんが書いた、こちらの書籍です。
鈴木宣弘『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』(講談社+α新書)
この本は、「国際物流停止による世界の餓死者が日本に集中する」という衝撃的な研究成果を発表した米国ラトガース大学研究者らによる推定を朝日新聞が報じたことを紹介し、食の安全保障をどう守るかについて解説している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「クワトロ・ショック」が日本を襲う
2.世界を襲う「食の10大リスク」
3.最初に飢えるのは日本
4.日本人が知らない「危険な輸入食品」
5.食糧危機は「人災」で起こる
6.農業再興戦略
この本の冒頭で著者は、「お金を出せば輸入できることを前提とした食糧安全保障は通用しないことが明白になった」「このまま日本の農業が疲弊していき、本当に食料輸入が途絶したら国民は食べる物が無くなる」と述べています。
本書の前半では、「クワトロ・ショックが日本を襲う」について、以下のポイントを説明しています。
◆ コロナで止まった「種・エサ・ヒナ」
◆ ウクライナ戦争で破壊された「フードバンク」
◆「バイオ燃料」が引き起こした食糧危機
◆ 日本には食糧安全保障が存在しない
この本の中盤では、「世界を襲う食の10大リスク」「最初に飢えるのは日本」および「日本人が知らない危険な輸入食品」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 中国の爆買いが日本の国力低下を直撃
◆ 当たり前になった異常気象
◆「今だけ、カネだけ、自分だけ」の新自由主義者が農業を破壊する
◆ 食料は武器であり、標的は日本
◆「食料はお金で買える」時代は終わった
◆ 輸入食品の危険性は報じられない
◆ 世界を震撼させた「モンサントペーパー」
◆「遺伝子組み換え表示」が実質的に無効になった
本書の後半では、「食糧危機は人災で起こる」および「農業再興戦略」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 世界中で「土」が失われている
◆ 農薬が効かない「耐性雑草」の恐ろしさ
◆「農業軽視」が招いた「人災としての食糧危機」
◆「GAFAの農業参入」という悪夢
◆ 注目される「ミューニシパリズム」
この本の締めくくりとして著者は、「お金を出せば輸入できることを前提とした食糧安全保障は通用しないことが明白になった今、このまま日本の農業が疲弊していき、本当に食料輸入が途絶したら国民は食べる物がなくなる。」と繰り返しています。
あなたも本書を読んで、日本の食糧安全保障について、改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3128日目】