「人生100年時代で、50代はまだ折り返し地点にすぎない」「50代の夢は、戦略とお金に裏打ちされたものでないと、幻に終わりかねません」と述べて、充実した人生に必要な「50代からのお金戦略」を指南してくれる本があります。
本日紹介するのは、1954年長野県生まれ、経済ジャーナリストで、経済とお金の仕組みをわかりやすく解説する家計経済の第一人者である荻原博子さんが書いた、こちらの書籍です。
荻原博子『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)
この本は、50代になったら賢く働き、無駄なことはしないこと、そして豊かで充実した人生のためのトクする最新戦略を「資産」「働き方」「給与」「家計」の観点から分かりやすく解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.50歳になったら、ボーっとしていてはいけない
2.50歳からの最強の「資産」戦略
3.50歳からの最強の「働き方」戦略
4.50歳からの最強の「給与」戦略
5.50歳からの最強の「家計」戦略
この本の冒頭で著者は、人生100年時代の折り返し地点である50代になったら、全力疾走はやめましょう、と呼びかけています。
人生の勝者は、富や権力を手に入れた人ではなく、死ぬときに「いい人生だった」と満足できる人だ、と著者は言います。
本書の前半では、50歳になったら抱えるリスクについて、以下のポイントを述べています。
◆ 50代の2割の世帯は貯蓄ゼロ
◆ 教育費の負担
◆ 週休3日の衝撃(収入が減る)
◆ 子供が働かない
◆ 奨学金の延滞
◆ 結婚生活の波乱(50代の夫婦関係)
◆ 遺産相続をめぐる争い
◆ 老後の孤独(老後資金・コミュニケーション・人生の最後)
この本の中盤では、50歳からの「資産戦略」および「働き方戦略」について考察しています。著者が提唱するポイントは次の通り。
◆ 定年までに「無借金」が勝ち組の最低条件
◆ お金を貯めるには順番がある
◆ 保険は商品次第
◆ iDeCo は60歳まで引き出せず、維持管理費も高い
◆ NISAはやってはいけない
◆ 投資の常識を疑おう
◆ 籠の中の卵の分散投資になぜ「ゆで卵」がないのか(ゆで卵とは現金)
◆「長期投資」にだまされない
◆ 自分を軸に人生を考える
◆ 50代の転職には「武器」が必要
◆ 会社員のうちに、割安に資格を取得する
◆ 7割以上が「役職なし」という「ミドル採用」の現実
◆ 起業するときは、自分のお金を使わない
◆ 起業で大切なのは、配偶者の同意
◆ 副業(複業)はリスクヘッジになる
◆「雇用延長」の罠に注意
◆ 共働きこそ最強の老後対策
◆ 出ていかない子供には「家賃」を払わせる
上記の資産戦略における「投資法」について、私の意見は著者と少し違っていて、基本は「長期・積立・分散」で、インデックス投信を買うことです。
著者の荻原さんは、投資の常識には懐疑的で、税金面でメリットのある iDeCo や NISA にも慎重なスタンス。対して、私はまず「つみたてNISA」を最優先させるべき、という考え方です。
詳細は拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)を参照ください。併せて読むと、理解が深まります。
起業に関する考え方は、殆ど荻原さんと共通ですが、「自分のお金は使わない」という点だけは正反対の考え方で、私は「借金は一切せず、自分のお金も少ししか使わない」を原則にしています。
本書の後半では、50歳からの「給与戦略」および「家計戦略」について記されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 税金の4倍近くが社会保険料の負担
◆ 50歳からの医療費に高額な保健は不要
◆「介護保険」は老後の強い味方
◆ 老後の不安は「退職金」でカバー
◆ 定年までに「年金だけで暮らせる家計」を
◆ 毎月の出費を見直し、家計を安定させる
◆ 50代は「ミドル」と「シニア」を使い分けよう
◆「滞在型市民農園」でレジャーを兼ねた収穫を
あなたもこの本を読んで、「老後不安」を一挙に解決する50代の最強の「お金」戦略を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2589日目】