まちづくりとは、どこかの「真似をする」のではなく、これまでの「常識を疑う」ことである、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、まちビジネス事業家、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さんが書いた、こちらの書籍です。
木下斉『福岡市が地方最強の都市になった理由』(PHP研究所)
この本は、福岡市が発展したポイントを「都市経営的な視点」で絞り込みをし、以下の流れで読み解いた書です。
◆ 都市経営の打ち手としての「まちづくりの心構え」
◆ 今の福岡市の優位な点
◆ 福岡市による都市経営での「常識破り」の5つの打ち手
◆ 都市経営的に重要な打ち手を繰り出した5人の功労者
◆ 福岡メソッド
◆ 福岡市の期待と課題
本書は以下の6部構成からなっています。
1.まちづくりは「常識」を疑え!
2.福岡市は「ここ」がすごい!
3.福岡市5つの「常識破り」
4.福岡市を変えた10の「覚悟」
5.経営視点で見える「福岡メソッド」
6.福岡市の「制約」と「未来」
この本では、福岡市の発展が注目される中で、都市経営の視点から、その要因を整理し、まず「5つの常識破り」を次の通り紹介しています。
◆ 民間主導・民間投資のまちづくり
◆ 「競争」と「協調」で強くなる
◆ 素早く「撤退」する
◆ 周りに流されない
◆ 伸びしろがあるのに、伸ばさない
さらに、功労者として以下の5人を挙げています。
1.渡邊與八郎【都市計画・都市開発】
2.松永安左エ門【インフラ整備】
3.四島一二三【金融】
4.川原俊夫【商業】
5.進藤一馬【市政】
また、福岡メソッドとして、次の3つのポイントを結論として提示しています。
◆ 制約から戦略を考える
◆ 新技術を味方につける
◆ 民間資金の力で「尖り」をつくる
まとめとして、「論理」と「覚悟」をセットで持つことを著者は挙げています。
最後に、福岡市の未来を左右する「4つの制約」を、以下の通り紹介しています。
1.九州衰退のリスク
2.「アジア」の多様な成長・衰退・混乱
3.大学の国際競争、若い人材の獲得競争の激化
4.急速な成長による凡庸化、過剰集積
まとめとして、福岡市が「追う側」から「追われる側」になる危機感を指摘しています。
日本の都市の中では稀有な事例として「福岡市の発展」を分析した意義は大きく、ぜひ都市経営の参考にしたい一冊として、本書を心から推薦します。
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では、今日もハッピーな1日を!