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藤井孝一『「お金をかせぐ人」の5つの習慣』(青春文庫)

藤井孝一氏は、慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社に勤務し、ロサンゼルス駐在を経て独立。2002年には「週末起業フォーラム」を設立して、週末起業ブームを巻き起こした。

 

本書は、株式会社アンテレクト代表として、経営コンサルティングをやってきた著者の経験から「お金をかせぐ人」に共通する5つの習慣および成功するためのエッセンスを凝縮して詰め込んだ書だ。

 

藤井氏によれば、仕事は忙しい人のところに集まってくる、という。それは、その人が単に仕事ができるからではなく、仕事をひきつける「何か」があるからだ。その「何か」を本書では「かせぐ力」と呼んでいる。

 

本書では、「かせぐ人」の5つの習慣を、以下の5つの観点として整理している。

 

1.かせぐ人の気付き
2.かせぐ人の思考力
3.かせぐ人の時間割
4.かせぐ人の勉強法
5.かせぐ人の人間関係

 

例えば、上記1の「気付き」については、金儲けのうまい人はコインの裏側を見ている。また、かせぐ人はチャンスを逃さない。よく観察しているし、自分の仕事のかせげるポイントを探っている。

 

また、上記2の「思考力」については、「かせぐ人」は世の中の儲けの仕組みを理解している。今の仕事の中でノウハウを身に付け、正しく目標を立てて正しく実行する。投資とはいかなるものかも知っている。

 

上記3の「時間割」では、「かせぐ人」はマトリクスで時間を管理する。習慣化してしまった時間の使い方を見直し、惰性でお金を使わない。ひとりで過ごして人間力を鍛え、時間の経過と目標達成の関係を知っている。

 

上記4の「勉強法」については、「かせぐ人」は、本を読み思考を転換させる。今、自分に必要な学びを探り、確実に身に付く方法で学ぶ。また、ビジネスの仕組みを見極め金融を一から学ぶ。

 

最後5の「人間関係」については、「かせぐ人」は、まわりにいる人といい関係を築く。人間が持っているエネルギーを意識し、得意技に磨きをかける。深く考え自分の意見を持ち頑固にならず人に頼る。

 

言われてみれば、理解でき納得できる習慣ばかりだが、実行するのは容易ではない。起業する人にはとくに読んでもらいたい書だ。成功を目指す全ての人に本書を推薦したい。