情報洪水の中で書類や資料を保存し検索するには従来のやり方では対処できない、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、一橋大学教授、東京大学教授などを歴任した野口悠紀雄さんが書いた、こちらの書籍です。
野口悠紀雄『「超」整理法1 押出しファイリング』(中公文庫)
この本は、情報整理とタイムマネジメントに強くなるために書かれたものです。もともと1993年から1999年にかけて中公新書として刊行した『「超」整理法』シリーズ3冊を文庫本として4分冊に再編集しています。(本書はその1分冊目)
他の3分冊は以下の本になります。
本書の冒頭で著者は、「情報についていえば、変化の本質は、“ ストックからフローへ ” と表現できるだろう。」と述べています。
すなわち、「情報は、いつまでも大切に保管する宝物のようなものではなくなった。右から入って左に抜けてゆくもの、つまり “ フロー ” になったのである。」ということです。
そうした中で本書では、次のような「押出しファイリング」を提唱しています。
◆ ひとまとまりになる書類を封筒に入れ、内容にかかわりなく時間順に並べる
◆ 使ったファイルは左端に戻し、不要と判断されたものは随時捨てる
◆ こうすると、使わなかったファイルが右に押し出されてくる
◆ 封筒を格納する場所としては、キャビネットでなく本棚がよい
本書は以下の7部構成から成っています。
1.情報整理とタイム・マネジメントに賢くなる
2.あなたの整理法は間違っている
3.押出しファイリングの基本原理
4.押出しファイリングの実際
5.パソコンにおける超整理法
6.整理法の一般理論
7.その後の展開
本書では、「書類の整理ができない原因は “ 分類すること ” に伴う基本的な諸問題である」ことを指摘しています。
机の上に整理されていない書類が積み上がり、必要な文書や書類を探すのに貴重な時間を費やしているのが一般的です。
この本で著者は、「情報は分類できない」としていて、分類することに関する様々な問題(複数に属する書類、どこにも属さない書類、分類ミスなど)を指摘しています。
そこで生まれたのが、「分類しなくても検索できる整理法」で、「すべての情報を時間順に並べ、時間軸をキーとして検索を行う」という、超整理法です。
本書の中盤では、具体的な整理法として、「押出しファイリング」の基本原理と実際を解説しています。
さらに、パソコン時代の超整理法や、より広い視点から、超整理法(時間軸検索法)の位置付けおよび他の整理法との比較など、整理法の一般理論をまとめています。
本書の巻末には、「その後の展開」として、「インターネットは成長したが、紙は依然必要」という、著者の見解が述べられています。
著者が本書の最後で言うように、「超整理法は情報整理に関する革命である」と呼べるほど、大きな反響を巻き起こしました。
そして、「超」と付くタイトルの本が、本書以降に続々と誕生している現象も起きています。
あなたも本書を読んで、整理法について改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を