書評ブログ

森部好樹『50歳からの起業!』(日経BP社)

森部好綬樹氏は、東京大学経済学部卒業の後、今はなきエリート銀行として名高い日本興業銀行に入行し、香港支店副支店長や興銀証券取締役を経てビックカメラに出向した。

 

そこから起業への道を歩み始め、メガネチェーンのオンデーズを立ち上げた。低価格・高品質をうたったオンデーズのメガネは若者を中心に人気となり、現在はビックカメラから他の資本に移っているが、すこぶる流行っている。

 

ビジネス上のつながりで、私は森部氏をよく存じ上げているのだが、とにかくパワフルな方だ。ジョギングやマラソン、登山に始まり、ビジネスでもその人脈と新しいことに対する知的好奇心は圧巻だ。

 

明るく前向きな森部氏の下には70歳代となった現在でも、多くの経営者が集まってくる。森部ファンの経営者は日本中、いやアジアから世界中に数多くいるだろう。

 

本書は、森部氏の中年社内起業の体験を赤裸々に綴ったもので、多くの示唆が得られる。とりわけ、「あとがきのかわりに」 で述べられている「森部流・人生を楽しく生きるコツの総括」は金言だ。そのポイントは以下の通り。

 

1.即実行主義 (良いことはすぐにやる)
2.苦しいときほどお気楽に
3.いい加減こそ良い加減
4.世のため人のためは自分のため
5.一石三鳥のゲーム感覚
6.大風呂敷を広げましょう
7.体のキレが頭のキレだ
8.常識を疑うこと
9.家族は明るく

 

森部氏は間違いなく、私の師匠のひとりだ。メンターと言ってもよい存在だ。皆さんも森部氏に倣って中高年起業にチャレンジしたらいかがだろうか。そんな方にぴったりの元気が出る一冊だ。心から本書を推薦したい。