『年金「最終警告」』

2019.11.06 (水)

「経済学者が指摘し、厚生労働省が否定するすべての『不都合な真実』の解決にこそ、年金制度を再生させる秘密がある」として、年金制度改革のための「最終警告」を発している本があります。

 

 

本日は、1970年生まれ、東京大学経済学部卒業、経済企画庁(現内閣府)入庁内閣府退官後は、秋田大学教育文化学部准教授を経て、現在は公益財団法人中部圏社会経済研究所研究部長島津諭さんが書いた、こちらの新刊新書です。

 

 

島津諭『年金「最終警告」』(講談社現代新書)

 

 

この本は、年金制度の根幹にある世代間格差の実態について、年金純債務(政府が年金制度加入者に約束した給付額のうち積立不足の金額)と絡める形で検証している書です。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.厚生労働省の「不都合な真実」

 

2.年金はいくら貰える

 

3.なぜ年金制度は危機的状況を迎えたのか

 

4.「年金は破綻する」を検証する

 

5.世代間格差を拒否する厚生労働省

 

6.年金を立て直して豊かな老後を取り戻そう

 

 

 

この本の冒頭で著者は、現在の年金制度が運営されている「賦課方式」の本質はネズミ講だ、と断じています。ネズミ講は後から入ってくる加入者が増え続けなければ、利益を得られない参加者が出てくる、と本書では説明しています。

 

 

 

つまり、現在の公的年金制度は、後からの参加者が損をする仕組みなのです。その実態が、世代間格差として映し出されている、と著者は指摘しています。

 

 

 

そして世代間格差の大きさは、公的年金の持続可能性に直結します。

 

 

 

この本で展開する主張に対しては、さまざまな異論・反論があると著者も予め断っていますが、それでも以下の通り、傾聴に値するポイントが多く含まれています。

 

 

◆ 年金の「100年安心プラン」とは、年金制度の安心であり、人生100年時代に100歳まで年金が安心、ということではない

 

◆「100年安心プラン」では、所得代替率(年金支給額が現役世代の所得の何割に相当するかの比率)の下限を50%と設定

 

◆ 公的年金制度の世帯間格差は、純年金額(貰う年金額-払う保険料)の格差(95歳まで生きる場合で、0歳は▲1,581万円、90歳は+3,823万円)

 

◆ 高齢者の中でも後期高齢者が増える「高齢者の高齢化」が今後の日本の高齢化問題

 

 

 

◆ 人口オーナス社会で日本経済は停滞

 

◆ 年金支給開始年齢の引き上げ(70歳、75歳など)は世代間格差をさらに拡大

 

◆ 皆がハッピーになる年金改革は、移民を増やして年金制度を支える人を増やすこと

 

◆ 相続税を福祉目的税にせよ

 

 

 

◆ マイナンバーと銀行口座、資産管理口座、一切の資産取引を紐づける

 

◆ 隠し口座の存在、金融資産の海外逃避、プライバシーの侵害批判を封じ込める

 

◆ 基礎年金を、新たな税方式による「基本年金」に変えて、全国民等しく、月額12万円を支給する(年金給付総額58兆円)

 

◆ 消費税を15%に引き上げ、「逆進性」「低所得者対策」として、給付付き税額控除で対応する

 

 

 

本書の主張は、厚生労働省のキャリア官僚には耳の痛い提言ばかりですが、非常にシンプルで公平です。月額12万円のベーシックインカム制度に近いもので、生活保護もいらないし、マイナンバーを使って、所得と試算をガラス張りにして捕捉し、サラリーマンと同じようにしっかりと徴税すれば、財源も問題がなさそうです。

 

 

 

著者がプライバシー侵害批判に対して、以下のように主張しているのは、まったく正論で、その通りでしょう。

 

 

「マイナンバーと金融取引を紐づけることに反対するなら、サラリーマンの源泉徴収にも反対してもらわないと整合性が取れない」

 

「マイナンバーに紐づけられると、何か困る取引、例えば裏社会との取引とか、闇営業でもしているのでしょうか?」

 

 

 

さらに私が本書の提言に触発されて、個人的に付け加えるならば、「累積の納税金額の多い順に、天皇陛下から勲章を授与する」という制度はいかがでしょうか。

 

 

 

高級官僚政治家業界団体の長だけがもらうのではなく、さらにそれより上位の勲章として、例えば累積で1兆円以上の高額納税者は、天皇陛下御夫妻からプライベート・ディナーに招待される、というのは最高の名誉となります。

 

 

 

高額納税者が尊敬される社会になり、望ましいでしょう。それだけ、お金で社会に貢献していることになるので、誰も反対しないのではないか。

 

 

 

本書は、さすが経済企画庁の官僚出身者が書いた本だけあり、数字で論点の整理がされ、提言も分かりやすいものとなっています。

 

 

 

あなたもこの本を読んで、年金「最終警告」を真剣に受け止め、政治や行政を動かす原動力を養っていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!

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