書評ブログ

夢をかなえる「そうじ力」とは?

世の中が忙しく、複雑になるにつれて、最近は整理整頓や整理収納がブームになっている感があります。

そんな整理ブームの火付け役となったのが、「そうじ力」 の枡田光洋さんです。そこで、本日紹介する本はこちらです。

 

舛田光洋 『人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」』 (総合法令出版)

 

舛田光洋氏は、そうじ研究会代表。そうじには人生を好転する力があることを発見し、「そうじ力」 による磁場の改善、心の改善から運勢好転を提唱しています。

 

また、中小企業環境整備コンサルタントとして 「そうじ力」 を導入した独自の企業発展プログラムを開発し、多くの経営者から高い評価を受けています。

 

この本では、まず具体的な事例から紹介が始まります。最初に出てくるのが、「ディズニーランド」 の600人のカストーディアルと呼ばれる清掃スタッフの話です。

 

彼らは300名ずつ交代で、自分のエリアを必ず15分ごとに回って、徹底的にキレイな空間を作り出しています。ゴミひとつない空間に現れた現象は、おとぎの世界、夢の世界、天国のような世界です。

 

ゴミからはマイナスのエネルギーが出ていますから、そこに天使が舞い降りることはできません。ウォルト・ディズニーが 「そうじ力」 で実現した世界、それは愛のある人たちの住む、天国のような夢の世界だったのです。

 

次に、「あなたの住む部屋が、あなた自身である」 という指摘がなされます。「あなたの心の状態、そして人生までをも、あなたの部屋があらわしている」 ということです。

 

この指摘を新幹線の中で読んで、私は身震いがしました。たまたま年末に本棚を追加購入して、衣類や本の整理、使わないものを思い切って捨てるなど、部屋の大掃除をしたところだったからです。

 

本の後半にも出てきますが、部屋の換気も必ず毎日、行うように変化していました。舛田さんによれば、汚い部屋は不孝の磁場をつくります。

 

著者自身の倒産・離婚・精神的危機からの復活という体験談が紹介されます。このあたりまでは、普通の 「感動する書籍」 でした。ところが、さらに続く実例に、私の心は大きく揺さぶられます。

 

そのひとつが、米スタンフォード大学の心理学者フィリップ・ジンバルド教授による実験で有名な 「ブロークンウィンドウ理論」 です。

 

「ボンネットを開けっ放しの状態で放置した」 自動車と、さらに 「窓ガラスが割れている状態を追加した」 自動車の2つのパターンで、比較的治安のよい街での様子を観察した実験です。

 

前者の自動車は1週間たっても何も起こりませんでしたが、その状態に 「窓ガラスの破損」 を加えただけで、何と10分後にはバッテリーが持ち去られ、続いてタイヤもすべて持ち去られました。さらに落書き、投棄、破壊が行われ、1週間後にはスクラップ状態にまでなったのです。

 

「壊された窓」 から 「ブロークンウィンドウ理論」 と名付けられました。そして、この理論がのちに、世界有数の犯罪都市であった米ニューヨーク市の治安対策に使われました。

 

ニューヨーク市の地下鉄の6,000もの車両にあった落書きすべてを消すことで、年間60万件以上あった重犯罪を75%も削減することに成功したのです。

 

汚いものや汚れている状態をそのまま放置しておくと、そこにマイナスの磁場ができ上がり、悪い事態をどんどん引き寄せてしまうということです。

 

そして次に著者の舛田さんが述べているのが、「そうじ力」 には以下の2種類がある、という考え方です。

 

1.「マイナスを取り除くそうじ力」 : 汚れを取り除くことによってマイナスのエネルギーを取り除き、問題を解決する
2.「プラスを引き寄せるそうじ力」 : 目的を持ったプラスエネルギーを加えることで強力に善きものを引き寄せる

 

プラス思考だけではなかなか成功しないのは、心の奥底にそれを打ち消すマイナスエネルギーがあるからで、カビ、ゴミ、汚れ、不要物、乱雑さといった、心の中にあるマイナスエネルギーを取り除く必要があるのです。

そして、以下の3つを捨てる必要がある、としています。

 

1.現在 「毎日の生活の中であなたのエネルギーを奪うものを捨てる」
2.過去 「過去の思い入れを捨てる」
3.未来 「未来への期待と不安を捨てる」

 

周囲のものがあるべきところに納まっていると、自分自身の役割が明確になってきます。本来の力、個性を100%出し切った 「最高の自分」 が発揮できるのが 「そうじ力」 のパワーです。

 

さらに実例は続きます。ナイチンゲールの 「衛生管理」 や、カリスマ経営コンサルタント一倉定さんの 「環境整備」 についてなど、そうじ力は説得力を持って語られます。

 

極めつけは、経営の神様・松下幸之助さんの次の言葉です。
「自分の身の回りをそうじできない者が、どうして天下国家をそうじする仕事ができようか」

 

すべての成功者が使っているゴールデンルール(黄金法則) : 「自分がしてほしいと思うことを人に与えよ」 や、成功につながるプラグ : 「感謝」 についても述べられています。

 

自動的にあなたを成功へ導く 「感謝の磁場」 をつくりましょう、というのが著者の語りたい結論です。そのために必要なのは、「ありがとう」 という言葉と 「ぞうきん」 です。

 

世の中にはさまざまな成功法則がありますが、「そうじ力」 こそ、誰でも簡単にできますし、効果も目に見えて分かります。まさに 「習慣化」 しやすい成功法則の原点が 「そうじ力」 と言えるでしょう。

 

成功をめざす、すべての方に大きなヒントを与えてくれる本だと思います。この本は、信頼する仲間から紹介を受けて読んだ本ですが、めぐり会えてほんとうにラッキーでした、心から感謝します。

 

では、今日もハッピーな1日を!