「図解力がアップすると、相手のあなたに対する信頼度もアップします。」と提唱し、「それを見ればキーメッセージを誰でも読み取れる分かりやすさ」という性質を備えているのが優れた図解だ、と説明している本があります。
本日紹介するのは、外資系コンサルティングファームにて専門領域における日本支社の実務責任者を務め、幅広いコンサルティングを手掛ける吉澤準特さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
吉澤準特『外資系コンサルが実践する 図解作成の基本』(すばる舎)
この本は、図解作成に、ファッションにおける「抜け感」と「透け感」という感覚を取り入れ、要素同士のスペースを確保して文字や図形の量を減らしたり、重ねて用いても重いイメージを与えない適度な色使いを用いたりする「エグゼクティブ図解術」を解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.図解の効果
2.図形の見せ方
3.図形の使い方
4.図解のパターン化
5.図解の魅せる化
この本の冒頭で著者は、三菱UFJフィナンシャルグループの再編の歴史を表わす図解を例にして、「図解の効果」について説明しています。
エグゼクティブ図解術では、見た目のわかりやすさを追求していて、図解キューブによる図形の見せ方と図形の使い方を整理して解説しています。
そして本書では、まず「図形の見せ方」を取り上げ、「シンプルにする」ための見せ方として、次の3点を挙げています。
◆ フォーム: 線ではなく面で表す
◆ カラー: 初期カラーではなく「ベースカラー」で表す
◆ ポジション: 言葉ではなく「位置」で表す
続いて、「アピールする」ための見せ方としては、以下の3点があります。
◆ フォーム: 「枠線」で強調する
◆ カラー: 「アクセントカラー」で強調する
◆ ポジション: 「コントラスト」で強調する
次に、「図形の使い方」では「ベーシックな使い方」として、次の5点を説明しています。
◆ 概念: 情報や概念を表す
◆ つながり: つながる向きと強弱を表す
◆ まとまり: 集合関係を表す
◆ 変化: 時間の流れや変化を表す
◆ 補足: 理由や説明を表す
また「アレンジ」を交えた使い方として、以下の3点を解説しています。
◆ 変形: 標準にはない図形を表す
◆ 組み合わせ: 手間が生じない図形を用いる
◆ 重なり: 順序と透かしを設定する
この本の中盤以降では、「図解のパターン化」として、次の6パターンについて、細かく解説し、例示もしています。詳細についてはぜひ、本書を手に取ってご覧ください。
1.「タテヨコ」を図解する
2.「関係性」を図解する
3.「時系列」を図解する
4.「量」を図解する
5.「変化」を図解する
6.「分布」を図解する
この本の最後には、図解の魅せる化について記されています。
これは、①高度な色使いと、②洗練されたデザインという2つの観点から解説されています。具体的な色遣いやデザインが示されていて、とても分かりやすく記載されているので、ぜひ実物のサンプルをお読みになることをお薦めします。
本書には、図解ツールが20、図解パターンが16、デザインが56も紹介されていて、優れた図には「論理的なわかりやすさ」と「感覚的な心地よさ」があることがよく分かります。
効果的なプレゼン資料の作成に課題を持っている方にはぜひ、推薦したい一冊です。
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