書評ブログ

『山崎元の最終講義 予想と希望を分割せよ』

「正しくて、できれば面白いことを、なるべくたくさんの人に伝えて、ちょっと感心されたい」「おそらく私のモチベーションは、ほぼそれだけです。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1958年北海道生まれ、東京大学経済学部卒業後に、三菱商事に入社、野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券、明治生命、UFJ総研など12回の転職を経験、コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会などを多数行ってきた経済評論家山崎元さんが書いた、こちらの書籍です。

 

山崎元『山崎元の最終講義 予想と希望を分割せよ』(PHP研究所)

 

この本は、著者が長く記事を執筆してきた楽天証券の情報メディア「トウシル」を舞台に、読者から寄せられた疑問に回答したものをベースにした「人生相談の本」です。

 

本書は以下の3部構成から成っています。

1.「入るを量りて出ずるを制す」なんて言うけれど・・・

2.今の仕事、会社を続けるか、悩んでいます

3.『君たちはどう生きるか』という作品があります、本当にどうしましょう・・・

 

この本の冒頭で著者は、「日々の暮らしの中にはお金の問題もあれば、仕事に苦悩することも、人付き合いに悩むこともあるでしょう。」と述べています。

 

本書の前半では、「入るを量りて出ずるを制すなんて言うけれど・・・ついて、以下のポイントを説明しています。

◆ がん保険は不要で、保険は泣く泣く利用するもの

◆ 平均投資に近いポートフォリオがいい

◆ 持ち家か賃貸かの議論は、値段を前提にしなければ無意味

◆ お金を貯めること、増やすことより、使うことが楽しい

 

この本の中盤では、「今の仕事、会社を続けるか、悩んでいますについて解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 守銭奴型FIREでは、人生がつまらない

◆ 仕事が楽しくない状態が最大の問題

◆ 定年までに、趣味と友達を持つことが大切

◆ 時間・お金・体力無しに、友人を持つのは無理

 

◆ 趣味も分散投資が必要

◆ 適度のリスクを取って工夫しない人は、カモられても仕方がない

◆「リスクを取らない人がリスクを取る人に利益を払う」のが経済の現実

◆ 資本主義経済で大切なのは、①リスクを取りること、②他人と同じにならないように工夫すること

◆ 資本家も油断すると、労働者タイプBにカモにされる

 

本書の後半では、「『君たちはどう生きるか』という作品があります、本当にどうしましょう・・・について考察しています。主なポイントは以下の通り。

◆ 論理と計算が自信を裏付ける

◆ 他人と競争しない趣味を持つ

◆ 介護が必要になったら施設に入れていいという原則

◆ 投資にかける時間、ストレスを感じる人間関係、SNSなど人生のムダを省く

◆ 運用相談は人生のゴールを考える「人生相談」に

 

この本の締めくくりとして著者は、「資産運用と人生相談にあっては、いずれもサンクコストの洗い出し及び徹底的な無視と、機会費用を見落とさないことが重要になる。」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、「予想と希望を分けること」および、お金・仕事・人付き合いの悩みを解説するヒントを学んでみませんか。著者の山崎元さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3344日目】