書評ブログ

『八ヶ岳の南麓から』

「50代で土地を買って、家を建てた。」「八ヶ岳南麓という自然に恵まれ、都内にも近い、地の利のある土地に魅せられた。それからおよそ20余年。勤務先のある東京と家を建てた八ヶ岳の南麓を往復する二拠点生活に入った。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1948年富山県生まれ、社会学者、東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長で、女性学およびジェンダー研究の第一人者である上野千鶴子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

上野千鶴子『八ヶ岳の南麓から』(山と渓谷社)

 

この本は、衝動的に買った土地にツーバイフォーの輸入住宅を建て、年間を通じて折々に過ごすようになって、土地の魅力に目覚め、暮らして初めて知った、自然暮らしのきびしさやトラブルなど、20年の二拠点ライフの経験を書いた本です。

 

本書は以下の「24の物語」から成っています。

1.コロナ疎開の山暮らしで
2.いつのまにか山梨愛に……冬の明るさを求めて
3.花の季節
4.ガーデニング派と家庭菜園派
5.蛍狩り
6.冷房と暖房
7.上水と下水
8.虫との闘い

9.八ヶ岳鹿事情
10. 夏の超簡単クッキング
11. ゴミをどうするか?それが問題だ
12. 本に囲まれて
13. 移住者のコミュニティ
14. 猫の手クラブの人々
15. 銀髪のスキー仲間
16. 大晦日家族

17. オンライン階級
18. 多拠点居住
19. 免許証返上はいつ?
20. クルマ道楽
21. 中古別荘市場
22. おふたりさまからおひとりさまへ
23. 大好きな北杜で最期まで
24. おひとりさまの最期

 

本書の前半では、「コロナ疎開の山暮らしで」~「虫との闘い」について以下のポイントを説明しています。

◆ 山の家で春夏秋冬の季節の移ろいをじっくり味わう

◆ 冬の明るさを求めて

◆ ガーデニング派と家庭菜園派

◆ 50メートル掘ってきれいな地下水を確保

 

この本の中盤では、「八ヶ岳鹿事情」「大晦日家族」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 八ヶ岳の住まいを「鹿野苑」と名付ける

◆ 本に囲まれた図書館のような部屋にいるのは「至福の時間」

◆ 移住してきた定住者の「猫の手クラブ」というコミュニティ

◆ 盆と正月は、ひとりものの「魔の時間」

 

本書の後半では、「オンライン階級」「おひとりさまの最期」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 日本の社会保障は住所地主義から脱するべき、多拠点生活も問題なし

◆ 免許返上に踏み切れない人が多い

◆ 中古別荘市場では、オーナーのこだわりが共有されにくい

◆ 大好きな北杜で最期まで

 

この本の締めくくりとして著者は、「田舎暮らしというが、地元民のコミュニティに参入するわけではない。パソコンさえあればどこでも仕事ができる、自然のなかの都会暮らしである。」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、二拠点生活のリアルを知り、自らの「終の棲家」や老後ライフスタイルについて考えてみませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3585日目】