「良い感情の連鎖」を起こすことで、人と組織を動き出す、と提唱している本があります。
本日紹介するのは、ジェイフィール代表で武蔵野大学経済学部経営学科特任教授の高橋克徳さんと、ジェイフィール代表の重光直之さんの共著である、こちらの書籍です。
高橋克徳・重光直之『「良い感情の連鎖」が空気を変える ワクワクする職場をつくる。【ハンディ版】』(実業之日本社)
この本は、2015年3月に発刊した『ワクワクする職場をつくる。』(実業之日本社)をハンディ版(新書版)にしたものです。
「あきらめ職場にはしたくない」「みんなで対話しながら、信頼関係という土台を作り直したい」という思いを持った人たちを応援したくて書かれた本です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「あきらめ職場」が増えている
2.私たちは何を見失っているのか
3.組織を変えるカギはどこにあるか?
4.【ステップ1】関係革新~感情とつながりを再生する
5.【ステップ2】仕事革新~働く喜びを取り戻す
6.【ステップ3】未来革新~夢や志を持って、未来を拓く
7.結局、「組織変革」とは何なのだろうか?
この本の冒頭で著者は、今、日本の職場の5割は明らかな問題を抱えており、7割の職場が活力のないものになっている、と述べています。
まず、メールにCCが多い職場ほど、互いの関係は希薄になっていく、と著者は指摘しています。こうしたコミュニケーションがお互いの関わり方を変え、協力し合えない「不機嫌な職場」を生んでいるのです。
本書によれば、組織感情は次の4つに分類されます。
1.イキイキ感情
2.あたたか感情
3.冷え冷え感情
4.ギスギス感情
下の2つの感情が広がると、快適な職場が減り、要注意職場が増えているのが日本の職場の現状だ、と著者は言います。
そうした中で、感情を押し殺して働く「無感情職場」が増え、感情を乗せない、無機質な会話だけが繰り返される、ということです。
これら日本の企業や組織をどのように変革していくかを、ある企業のストーリーとして、この本は紹介しています。
ハーバード・ビジネススクールのジョン・P・コッター教授は、企業変革には次の8つのプロセスが必要であると提示しています。
1.危機意識を高める
2.変革推進チームをつくる
3.適切なビジョンと戦略をつくる
4.変革のビジョンを周知徹底させる
5.従業員の自発的な行動を促す
6.短期的な成果を生む
7.成果を活かして、さらに変革を進める
8.変革を根づかせる、文化に変える
問題を抱えた組織は、「仕方ない」「どうせ無理だ」「何も変わらない」という感情に支配されていますが、本当にそれでいいのかを自分に問いかけ、思いを重ねて形に変え、組織としての行動に変えていくことが必要です。
著者によれば、組織が変わるのは、以下の3つのステップ(3つの革新)が必要です。
1.関係革新
2.仕事革新
3.未来革新
まず、ステップ1の「関係革新」では、次のポイントが重要です。
◆ 感情を伝え合う、組織感情を共有する
◆ 相互理解のための対話を行う
◆ 真剣に向き合う、距離を縮める
◆ 支え合う仲間をつくる
次に、ステップ2の「仕事革新」には、以下のポイントがあります。
◆ 働く喜びの源泉を考える
◆ つながり力を引き出す働き方に変える
◆ 世代や雇用形態のギャップを活かす
◆ 仕事への思いやりや誇りを取り戻す
最後に、ステップ3の「未来革新」では、次のポイントが重要となります。
◆ 組織感度を高める
◆ 自分たちの価値を問い直す
◆ 究極の世界を描く
◆ 未来をつくる仕組みへ革新する
この本の最後で、「結局、組織変革とは何なのだろうか」と問いかけ、みんなが支え合うリーダーとして、次の「5つの力」を持って、「つなぐ」ことが必要だ、と提唱しています。
1.自分とつながる力
2.他者とつながる力
3.世界とつながる力
4.幸せとつながる力
5.とつながる力
あなたも本書を読んで、良い感情の連鎖が「ワクワクする職場」をつくる、という組織変革を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!