書評ブログ

『美しい本屋さんの間取り』

ふらりと立ち寄りたくなる本屋さん全国40店徹底リサーチしてまとめた本があります。

 

本日紹介するのは、建築知識編のこちらの書籍です。

 

建築知識編『美しい本屋さんの間取り』(エクスナレッジ)

 

この本は、本の選び方からはじまり、間取り、空間のつくり方、SNSに至るまで、訪れる人の心をつかんで離さない本屋さんの魅力がまるわかりになる書です。

 

 

本書は以下の3部構成から成っています。

 

1.設え方:来店者を増やす

2.見せ方:美しく本を見せる

3.基本:知っておきたい基礎知識

 

 

この本の冒頭には、「本屋に必要なもの」として、次の10項目を挙げています。

 

◆ 適した「本棚」

◆ 「椅子」をアクセントに使う

◆ お店を知ってもらうための「宣伝」

◆ 顧客を迎える「入口」

◆ 店内の雰囲気を伝える「照明」

 

◆ 作業に必要な「レジカウンター」

◆ 会計のための「レジ」

◆ 本屋を成長させる「事務用品」

◆ 本屋を演出する「エトセトラ」

◆ 清潔な店内のための「清掃用具」

 

 

本書の前半では、「設え方:来店者を増やす」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 小さく維持しやすい本屋:➀天井高と棚配置で広がり、②開口部の工夫、③通路幅で手狭いさを解消、④棚の高さで好印象

◆ 気持ちに余裕ができる広さ:➀本棚の廻りを自由に回廊、②展示スペースで売上アップ、③本屋の「顔」をつくる

◆ 安定経営には複合型:➀カフェやギャラリーで客層拡大、②道路側の見せ方工夫、③別の業態と組み合わせ、④複合的な店舗

◆ フロアの広さを生かす:➀アイデアとレイアウト、②雰囲気の異なる空間でリピーター、③内装計画はまず施設担当者に確認

 

◆ ときめく本棚をつくる:➀等間隔の固定棚、②棚に動きを、③傾斜面で面陳を見やすく、④本棚はクリア塗装

◆ 立地に合ったファサード:看板代わりに本棚、②木製家具で温かみを演出、③ガラスで内部の様子を見せる、④ビル内なら入口付近でアピール

◆ 本屋は内装で勝負:➀床材は足が疲れにくい素材、②壁・本棚の背板は本が映える色、③本棚の高さは空間とのバランス

◆ 植物で雰囲気づくり:➀水に配慮、②装飾性に優れる枝物、③水やり頻度が少ないセダムを鉢植え

 

 

この本の中盤では、「見せ方:美しく本を見せる」について考察しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 本の回転率を上げる書籍の陳列:➀ゴールデンゾーンを意識、②売れ筋本は平置き、③面陳で表紙を見せる、④陳列場所の空白を埋める

◆ 来店者を誘因する並べ方:➀ジャンル別、②出版社別、③探しやすさ重視の著者別、④文脈棚でジャンルの垣根を越える

◆ 棚は「本屋の顔」と心得る:➀来店者の視線を操作、②棚の素材や仕上げ、③棚以外の本を置く場所

◆ 独自の企画を強みに:➀来店者に寄り添う、②限定品、③ブックカバーやしおりに限定デザイン

◆ 棚貸し本屋で一箱店主に:➀1日店主、②商品管理のルール化、③レイアウト変更のしやすさ

 

 

本書の後半では、「基本:知っておきたい基礎知識」について解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 本の大きさと重さを知る

◆ 本の仕入れルート

◆ 飲食物提供に条件あり:➀申請と資格、②水栓は非接触タイプ、③冷凍・冷蔵庫の温度計は外から確認、④テイクアウト

◆ 本と流通の仕組み

 

 

この本の巻末には、「用語集:書店の全体像がおおよそ分かる」が掲載されています。新刊書店、古書店、SNSノ使い分け方の順で、主要な用語は次の通り。

 

◆ 取次、帳合、再販制度、委託、書店コード、番線

◆ 配本、搬入日、自動発注、返品、伝票

◆ 平積み、面陳、推し、POP、フェア、文脈棚

◆ 単品管理、POS、回転数、在庫回転率、必備スリップ

 

◆ 単行本、文庫、新書、ムック、棚卸し、万引き、外商

◆ 帯、カバー、奥付、ISBN、雑誌コード、重版、絶版

◆ 古書、古本、新本、即売会、せどり、蔵印、初版

◆ 書影、買取、キキメ、落丁、乱丁

 

 

本書に掲載されている魅力的な「まちの本屋」は以下の40店です。

 

・artos Book Store(アルトスブックストア)(島根県松江市)
・居留守文庫(大阪府大阪市)
・いわた書店(北海道砂川市)
・en景観設計(神奈川県横浜市)
・往来堂書店(東京都文京区)
・かもめブックス(東京都新宿区)
・Cat’s Meow Books(キャッツミャウブックス)(東京都世田谷区)
・草舟あんとす号(東京都小平市)
・誠光社(京都府京都市)
・正和堂書店 鶴見店(大阪府大阪市)
・大喜書店(京都府京都市)
・Title(東京都杉並区)
・大龍堂書店(京都府京都市)
・Dessin(デッサン)(東京都目黒区)
・天狼院書店(東京都豊島区)
・toi books(トイブックス)(大阪府大阪市)
・東塔堂(東京都渋谷区)
・とほん(奈良県大和郡山市)
・南洋堂書店(東京都千代田区)
・ノストスブックス(東京都世田谷区)
・ひるねこBOOKS(東京都台東区)
・梟書茶房(東京都豊島区)
・双子のライオン堂(東京都港区)
・BOOK AND SONS(ブックアンドサンズ)(東京都目黒区)
・book obscura(ブックオブスキュラ)(東京都三鷹市)
・BOOKSHOP TRAVELLER(ブックショップトラベラー)(東京都世田谷区)
・ブックスキューブリック けやき通り店(福岡県福岡市)
・BOOK TRUCK(ブックトラック)(神奈川県横浜市拠点)
・BOOKNERD(ブックナード)(岩手県盛岡市)
・ブックマンション(東京都武蔵野市)
・plateau books(プラトーブックス)(東京都文京区)
・ペンギン文庫(宮城県仙台市拠点)
・ポルベニールブックストア(神奈川県鎌倉市)
・本とコーヒー tegamisha(東京都調布市)
・本屋ルヌガンガ(香川県高松市)
・みつばち古書部(大阪府大阪市)
・READAN DEAT(リーダンディート)(広島県広島市)
・柳々堂(大阪府大阪市)
・ROUTE BOOKS(ルートブックス)(東京都台東区)
・レティシア書房(京都府京都市)

 

 

あなたも本書を読んで、訪れる人の心をつかむ「美しい本屋さんの魅力」を学び、書店の経営を考えてみませんか。

 

 

「無書店地域に『まちの本屋』の復活を。まちづくりは人づくりから。本は人を育み、本屋は人をつなぐ。」というコンセプトを実現するためのプロジェクトチーム「ブックストア・ソリューション・ジャパン(BSJ)」(代表理事:安藤哲也)が誕生しました。

https://bsj.voyage/

 

 

2023年2月5日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第266回】美しい本屋さんの間取りにて紹介しています。

 

 

 

ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【3008日目】