「商売の基本はやはり『お客さま』にあります。ここでは、売り手目線から『買い手目線』になって物事を考える、ととらえてください。」「まずは顧客に焦点をあてて、自然に『売れるしくみ』とは何かを考えていきます。『売れる仕組み』、これはすなわちマーケティングです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、米国インディアナ大学MBA、アマゾンやジュピターテレコム(現JCOM)、マスターカードでマーケティング部立ち上げやブランドマネジメントに従事、マーケティング・マネージャーとして、多くのセールス担当者と仕事をしてきて、現在はマーティテングアイズ株式会社代表、一般社団法人最適経営学実践協会代表理事、関西学院大学経営戦略研究科教授の理央周さんが書いた、こちらの書籍です。
理央周『売れない問題 解決の公式』(日本経済新聞出版)
この本は、売れないという事象や現象を、著者の経験とマーケティングの理論&フレームワークという「マーケティングボックス」に放り込み、掘り下げて問題の所在を見つけ課題を形成、解決していくことを目指すものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.「売れる仕組み」をどう動かしていくか
2.「買いたい人」は、あなたを知らない
3.顧客の心理は、日々変わっている
4.「売り物」の価値を高め続ける
5.仕組みで買っていただく力
この本の冒頭で著者は、できる限りシンプルに考えたいので、次の3つの要素だけで考え、その思考法を「PTCモデル」と呼んでいます。
◆ 何を=プロダクト(Product)
◆ 誰に=ターゲット(Target)
◆ どうやって顧客コミュニケーションの戦略(Communication)
本書の前半では、「売れる仕組みをどう動かしていくか」について、以下のポイントを説明しています。
◆ PDCAを軸に考える
◆ マーケティング活動は、①準備、②戦略、③実践の順で進める
◆「10年後どうありたいか」から逆算して考える
◆ 顧客の中にある本音(=インサイト)を見つける
この本の中盤では、「買いたい人は、あなたを知らない」および「顧客の心理は、日々変わっている」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 企業が売りたいものと顧客が買いたいものは違う
◆ 訴求するポイントをモノからコトにする
◆ 店舗やサイトは、「できる限り長く、多く」がポイント
◆ 観察(Observe)、状況判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Action)のOODAループで4つの間隔を短くする
◆ SNSは売る場所、宣伝する場所ではない
◆ イメージ画僧が有益な情報に変わる
◆ 顧客の「買いたい」を逃さない、顧客の「ストレス」を取り除く
◆ できる限り多くのターゲット層に触れられるタッチポイントを増やす
◆ まだ見ぬ販路は、思わぬ場所にある
◆ エンドユーザーの動向に注目する
◆ 釣りをするなら、魚のいる釣り堀でする
◆ 思わぬ場所、意外な状況にターゲット層は隠れている
本書の後半では、「売り物の価値を高め続ける」および「仕組みで買っていただく力」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ お客様が自分でも気づいていない「潜在ニーズ」をどれだけ引き出せるか
◆ 顧客行動を分析するコツは、大から小へ
◆「神は細部に宿る」細かな作業の積み重ねが大きな成果を生み出す
◆「売れない問題」を解決する3つの力:➀現状を打破し新しい発想を生む力、②顧客の本音を知る観客力、③組織メンバーが一定の成果を出せる仕組み力
この本の締めくくりとして著者は、「売れない問題」は、全員で取り組むべき最も重要なテーマであると強調しています。
貴方も本書を読んで、「売れない」の原因を3つのステップで解決し、10年後にありたい姿に向かって、顧客視点をベースに「売れる仕組み」を作っていきませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【3037日目】