書評ブログ

『テレビの重罪』

「一方では人の命を奪いながら、他方では人の命を盾にして人権を奪うー。このダブルスタンダードに耐えられず、精神科医として再び、テレビの問題点を多くの人に知ってもらいたく書いた」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒東京大学医学部付属病院精神神経科助手米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学大学院教授、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長で、30年以上にわたり、高齢者医療の現場に携わっている和田秀樹さんが書いた、こちらの書籍です。

 

和田秀樹『テレビの重罪』(宝島社新書)

 

 

この本は、「テレビがいかにして多くの人の命を奪ってきたのか、以下に社会から活力を奪い、人とのつながりを奪い、人の知性や尊厳を奪ってきたのか」を明らかにすることを目的にして書かれた書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.米国の「正義」を受け売りするだけのウクライナ報道

2.配慮なき「自殺報道」が自殺者を増やす

3.自粛の副作用を無視した「コロナ報道」の大罪

4.強者に媚びへつらい弱者を叩く

5.テレビに洗脳される日本人

6.横並び報道と「思考停止」社会

7.特別対談 木村盛世 ✕ 和田秀樹「国民を息苦しく不安にさせるメディア」

 

 

この本の冒頭で著者は、「世の中はさまざまな異論で満ちており、正解か間違いか、善か悪か、黒か白か、といった単純な二項対立で論じられるものではない」と述べています。

 

 

本書の前半では、「米国の正義を受け売りするだけのウクライナ報道」および配慮なき自殺報道が自殺者を増やす」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ ロシア経済制裁によるデメリットを報じないメディア

◆ ホロコーストがタブー視されることで見えなくなったもの

◆ 各局で使いまわされる専門家

◆ センセーショナルな自殺報道が更なる自殺を引き起こす

 

◆ アルコール依存と自殺のリスクがあるのにアルコール飲料の大量CM

◆ 予定調和の「子ども虐待」報道

◆ 女子アナと気象予報士の体型はやせ型ばかり

◆ 中高年が痩せると寿命が縮む

 

 

この本の中盤では、「自粛の副作用を無視したコロナ報道の大罪」および強者に媚びへつらい弱者を叩く」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 自粛生活による被害者は高齢者

◆ 世代間の分断を加速させたコロナ報道

◆ 一度落ちた筋肉や認知機能は簡単に回復しない

◆ マスクをしない人間を犯罪者扱いする異常

 

◆ 報道されない「特養待機老人」問題

◆ 高齢ドライバーより20~24歳ドライバーの方が交通事故は多い

◆ テレビの犯罪報道は冤罪の温床

◆ 仕事をしたくない警察とテレビの馴れ合い

 

 

本書の後半では、「テレビに洗脳される日本人」および横並び報道と思考停止社会」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ ゆとり教育でメディアリテラシーが欠落

◆ スクールカーストといじめを加速した教師の主観的評価

◆ 勤勉さを軽視する学園ドラマ

◆ 重要なのは「学力競争」の経験

◆「異物」が排除される日本社会

 

◆ 横並び報道で価値観が一つに固定化

◆ 不安感情と現状維持バイアス

◆ 不安感情は強いのに解決策は考えていない

◆ テレビは高齢者のメディア

◆ 自己愛が欠落している嫉妬まみれの社会

 

 

この本の巻末には、特別対談 木村盛世 ✕ 和田秀樹「国民を息苦しく不安にさせるメディア」が掲載されています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ コロナ禍で置き去りにされた「尊厳死」問題

◆ キー局のテレビにレギュラー出演している人間はみんな魂を売っている

◆ コロナ自粛で生活に困窮した30代、40代の自殺の問題は報道されない

◆「コロナは風邪、ワクチンは危ない」と発言すると動画が削除される

 

◆ テレビの「正義」がネット言論にも影響

◆ テレビに出てくるのはすべて「極端な例」

◆「日本の10代でコロナ感染での死者は2年でたった8人、ワクチンによる重篤者427人、死者6人」をなぜメディアは報道しないのか

◆ 議論を許さない土壌がテレビにある

◆ 日本は優秀な人材は海外に引き抜かれてスカスカの総白痴化の国

 

 

あなたも本書を読んで、「ウクライナ報道」「新型コロナの自粛呼びかけ報道」「飲酒シーン乱発」「体型差別」「高齢者ドライバー攻撃」「詳細な自殺報道」などで、国民の健康を害し、知性を奪う洗脳メディアの重罪について、しっかりと考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2794日目】