「ささいなことに人生の幸福を見出す技術、それが教養だ!」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、明治大学文学部教授の齋藤孝さんが書いた、こちらの新刊新書です。
齋藤孝『年を取るのが楽しくなる教養力』(朝日新書)
この本は、「人生90年時代」に突入した現代、30年にもわたる定年後の人生をいかに過ごすかを提案するための書です。
著者の齋藤孝さんは、教育学博士で文学部教授らしく、人生の後半戦を楽しく生き生きと過ごすためのキーワードとして「教養」を挙げています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「人生時間」を考える
2.趣味を極める
3.学びの真髄に触れる
4.社会に貢献する
5.社交を楽しむ
6.孤独と付き合う
7.老いや死と向き合う
本書の冒頭で著者は、人生の区分やサイクルについて、世界で昔から語られているものを紹介しています。
孔子が弟子に語った『論語』の一節や、エリクソンの「人生の八段階説」、インドの「四住期」どです。
そうした中で著者は、インド「四住期」を、自分なりにアレンジして、30歳から考える「新・四住期」を、以下のように提案しています。
◆ 第1期「狩猟期」(30歳~45歳)
◆ 第2期「ダブルスタンダード期」(45歳~60歳)
◆ 第3期「円熟期」(60歳~75歳)
◆ 第4期「ゼロ出力期」(75歳以上)
私はこの区分に共感していて、60歳から始まる「円熟期」に備えて、いかにその前の40歳代後半から60歳までの間に、ダブルスタンダードで準備を進めるかが人生にとって大切だと考えています。
会社員としての就業をしながら、定年後のフリーランスに向けた準備をダブルで重ねて、生涯現役の備えをしておく、ということです。
私はまさにそれを実践してきた人生で、まず45歳で最初の転職をし、その後さらに2回の転職を経て、昨年57歳で「定年前起業」をしてフリーの経営コンサルタントになりました。
本書では、60歳からの人生について、「生涯現役」というよりは、趣味や教養など、「ささいなことに人生の幸福を見出す技術」を提唱しています。
著者の齋藤さんが実践する趣味は幅広く、音楽から文学作品、あるいは賢人たちの知恵に学ぶことを紹介し、推奨しています。
とくに「哲学」については、生きる意味や死を考えるという意味で、年齢を重ねるごとにその重みが分かって来るものだ、と述べています。
ゲーテ、福沢諭吉、ドストエフスキーなど、本書で展開される著者の教養の幅広さ、奥深さには圧倒されます。
あなたも本書によってぜひ、その一端に触れ、定年後の30年間に亘る人生の過ごし方について、しっかりと考察してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を