一緒に暮らしてきたペットの老いや死とどのように向き合い、命について考えればよいかについて、生命倫理学者が自らのペットである愛犬オディーの最後の一年を記録しながら綴った本があります。
本日紹介するのは、アメリカの生命倫理学者で、『ウォール・ストリート・ジャーナル』などに定期的にエッセイを寄稿しているジェシカ・ピアスさんが書いた、こちらの書籍です。
ジェシカ・ピアス『ラストウォーク 愛犬オディー最後の一年』(新泉社)
この本は、著者の愛する一匹の犬・オディーが、年を取って老いによる病や衰えに苦しみ、死に近づいていくのを見守る話です。その変化を受け入れ、やむを得ないとあきらめ、オディーの命をしっかりと受け止め、その命のあつかい方を見つけようとする著者の話でもあります。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.終局への旅 オディーの日記(2009年9月29日~2010年1月15日)
2.開かれた世界へ オディーの日記(2010年3月14日~2010年6月4日)
3.老いること オディーの日記(2010年6月5日~2010年9月4日)
4.苦痛 オディーの日記(2010年9月20日~2010年10月24日)
5.動物のホスピス オディーの日記(2010年10月25日~2010年11月28日)
6.青い注射針 オディーの日記(2010年11月29日~2010年12月7日)
7.残されたもの オディーの日記(2011年11月29日 オディーの死から1年後)
この本の冒頭で著者は、ペットであるオディーが老いていくことに対する自分の反応を記録し、いつの日かオディーを失ったときに感じる苦しみを乗り越えられるし、今後むずかしい決断をしなければならなくなったときにも役立つと考えて、『オディーの日記』を書き始め、それが本書のもとになった、と記しています。
一般的に、著者の専門である生命倫理学は動物をあつかってきませんでした。まして、動物の老いや終末期などはなおさらです。
実際には、老いは死と深くかかわっていて、いったんペットを飼うと決めたら、「ペットが幸せな老いを迎えられるよう、身体や行動の変化に合わせられるよう、飼い主がしてあげられることはたくさんある」と著者は言います。
また、この本では1960年代に定められた動物の権利と福祉に関する「五つの自由」を紹介し、1993年には現在の定義に改めて、以下の5つになったと解説しています。
1.飢えと渇きからの自由
2.痛み・障害・病気からの自由
3.不快からの自由
4.正常な行動を表現する自由
5.恐怖や抑圧からの自由
この本の最後では、著者が考える「犬の天国」についても、その情景を描写しています。
この本は、長く一緒に過ごしてきた愛犬オディーに対する著者の深い愛情が、全編を通してひしひしと伝わってくる書です。とくに愛するペットの犬を持つ方には共感できることが多いと思われ、お薦めです。
あなたも本書を読んで、いつかやってくるペットの老いと死に、どう向き合っていくかを学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!