「老後の三大不安である “お金” “孤独” “健康” は定年前後に起業することで乗り越えられる!」「定年前後にひとりで会社を立ち上げれば老後のお金の不安が消える!」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1958年東京生まれ、早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)にて22年間勤務し、東京都が出資する新銀行東京の創業メンバーに転職、その後人材関連会社やグローバル製造業で人事・経営企画の責任者を歴任して、2015年に独立起業、現在はフリーの研修講師、コンサルタント、ビジネス書作家として活動する私 大杉潤が書いた、こちらの新刊書籍です。
大杉潤『定年起業を始めるならこの1冊! 定年ひとり起業』(自由国民社)
この本は、これまでずっと会社員として働いてきたキャリアの人が、70歳まで働く時代を迎えて、50代からいかに準備をして「定年ひとり起業」という新しい働き方に移行するかを具体的、実践的に解説している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.70歳まで働く時代がやってきた!
2.「定年ひとり起業」とは?
3.定年再雇用のワナ
4.「定年ひとり起業」のマネープラン~老後資金不安がなくなる年金戦略
5.全公開!大杉潤「定年ひとり起業」への道
6.「定年ひとり起業」ケーススタディ~3人の起業ストーリーと成功の秘訣
7.「定年ひとり起業」という選択
8.アフター・コロナは「幸福学」で働く~なぜ長く働き続けると幸せになるのか?
この本の冒頭で著者は、老後マネープランは「WPP」と「トリプルキャリア」だと述べています。WPPとは、権藤善一・慶応義塾大学教授が様々な場で提唱している考え方で、人生のマネープランを野球のピッチャーの継投に例えて、次のように位置付けるものです。
◆ W: Work Longer(継続就業、長く働く)⇒ 先発
◆ P: Private Pension(私的年金) ⇒ 中継ぎ
◆ P: Public Pension(公的年金) ⇒ 抑え
老後マネープランでは、「先発」がしっかりと長いイニングを投げることが、人生というゲームを作る上で最も大切になります。
そのうえで最後の「抑え」となる公的年金は終身での受給が保証されている極めて優れた制度なので、その負担をなるべく短い期間にすることで軽減し、その代わりもらえる年金額を増やすという戦略を立てるのです。
「老後2000万円不足問題」では、そのための貯蓄や投資ばかりが注目されましたが、実はそれは「中継ぎ」の役割で、重要度としては3番目なのです。
もうひとつの「トリプルキャリア」とは、大杉潤の前著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて詳しく解説されていますが、働く期間を次の3つに分けてライフシフトをしていくことで、生涯現役で働くことを目指す人生設計です。
◆ ファースト・キャリア: 会社員としての「雇われる働き方」
◆ セカンド・キャリア: 定年ひとり起業による「雇われない働き方」
◆ サード・キャリア: ライフワークに絞り込んだ「理想の働き方」
続いて、2021年4月1日施行の改正高年齢者雇用安定法により「70歳まで働く時代」が来たこと、および「定年ひとり起業5原則」を以下の通り紹介しています。
1.50代または60代で起業(厚生年金を確保)
2.ひとりで起業(または夫婦のみ)
3.お金を使わない低リスクで起業(自宅をオフィス、人を雇わない、借金しない)
4.年金プラスアルファの収入を目指す規模からスタート
5.長く働くことを最優先にする(好きなことを仕事にして継続)
本書の前半では、年金受給開始70歳に移行していく予測、並びに「定年ひとり起業」のマネープランについて考察しています。主なポイントは次の通り。
◆ マネープランは人生プラン
◆ マネープランの核心は、➀何歳まで働くか、②何歳から年金をもらうか、③老後ライフスタイルをどうするかの3点
◆ 健康・体力面による「75歳の壁」を意識した「トリプルキャリア」なら年金繰り下げ受給も可能
◆ 家計のキャッシュフロー表とバランスシートをつくる
◆ 資産運用は長期・積立・分散でインデックス投信による国際分散投資
この本の中盤では、大杉潤の「定年ひとり起業への道」を全公開しています。また、会社員や専業主婦から中高年になって起業した以下の3名のストーリーと成功の秘訣を紹介しています。
◆ 木村 勝さん(60歳)~ 大手自動車メーカーからの転身
◆ 高橋 和子さん(50代)~ 専業主婦から片づけのプロへ
◆ 高伊 茂さん(71歳)~「話力」を究めて終身現役
3名の方はいずれもビジネス書の著者でもあり、以下の著書を出版されています。
本書の後半では、「定年ひとり起業」という選択と人生の幸せについて、「幸福学」の視点から考察して提言をしています。主なポイントは以下の通り。
◆ 人生の幸福度 = 思考法 × 習慣
◆ 仕事に対する思考法を決めるには「自己決定感」
◆ 好きなことを仕事にして、自分でやめるまで働き続けられる
◆ 人生の勝負は後半にあり
◆ ➀好きなこと、②得意なこと、③世の中の役に立つこと、④収入が得られることの4つが重なる「究極の生きがい」をライフワークにする
「幸福学」や「究極の生きがい」(IKIGAIベン図)については、前野隆司・慶應義塾大学大学院教授の以下の著書を参照ください。幸せな人生を実現するための大切なことが分かりやすく書かれており、ぜひ一読をお薦めします。
なお、本書の校正段階で漏れてしまった誤植が以下の通り判明しました。謹んで訂正させていただくとともに、皆さまの応援で増刷になりました際にはきちんと修正させていただきます。
P245 『幸福のメカニズム』(前野隆)⇒ 訂正後:『幸せのメカニズム』(前野隆司)
P285 『資産革命』⇒ 訂正後『資産寿命』
書籍タイトルおよび著者氏名の誤植であり、私も著者として、校正のプロセスでチェック・修正ができなかったことがほんとうに残念です。前野隆司さま、大江英樹さまには大変失礼な形になり、心よりお詫び申し上げます。
本書は私 大杉潤が33年以上の会社員生活を卒業して、57歳で独立起業してフリーで活動してきた5年間の集大成という思いを込めて執筆しました。私の63年間の人生で学んできた大切なことをすべて公開した「渾身の一冊」です。
本日、2021年3月13日(土)に全国の書店で一斉に発売されます。ぜひお手に取っていただけたらこの上ない幸せです。
YouTubeチャンネル『大杉潤のYouTube』の2021年5月22日付【第203回】生涯現役のための「定年ひとり起業」にて紹介しています。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2509日目】