書評ブログ

『38歳までに受けたい「甘くない」お金の授業』

「お金」と「生き方」のどちらを優先したいですか? と問いかけ、「自分の価値観を持つ大切さ」を伝えてくれる本があります。

 

 

本日紹介するのは、1986年大坂生まれ、工業高校に進学後、印刷会社に就職して工場で勤務したが、脱サラをして俳優の道を目指して演劇を中心に活動するも、俳優で生計を立てることを断念、自己投資を続けてFP資格を取得して2013年に独立系ファイナンシャルプランナーとなり、俳優の経験を活かした「お金の知識を学べる動画」が大人気となって、現在は井上FP事務所代表井上ヨウスケさんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

井上ヨウスケ『38歳までに受けたい「甘くない」お金の授業』(ぱる出版)

 

 

 

この本は、お金を使いこなすために必要な「4つの力」である「使う力」「稼ぐ力」「守る力」「増やす力」の4つをバランスよく持つために、自分のアタマで考えるコツを分かりやすく解説している書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.8割の人が「お金に使われている」

2.【使う力】お金を「消費」「浪費」「投資」の3つに分類する

3.【稼ぐ力】あなたには「1億円以上の人的資本」がある

4.【守る力】あらゆるリスクに備える「最強の保険」とは?

5.【増やす力】インデックスファンドは「投資の実力」ではなく何を求める?

6.老後のお金の不安を9割減らす「たった1つの方法」

 

 

この本の冒頭で著者は、大好きな言葉としてアインシュタインの次の言葉を紹介しています。

 

「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。」

 

つまり、あなたが今まで常識と思っていたことはただの偏見で、多くの人は18歳までに身につけた偏見を常識と信じて残りの人生を歩むそうです。

 

 

しかし世の中にはたくさんの考え方いろんな生き方があり、「18歳から何を学ぶのか?」がその人らしさを作る、と著者は言います。

 

 

そのためには自分が持っている常識を常に疑う姿勢が必要なのです。

 

 

さらにライフネット生命創業者立命館アジア太平洋大学(APU)学長出口治明さんが著書『働く君に伝えたい「お金」の教養』(ポプラ社)で述べている次の言葉を紹介しています。

 

「お金で苦労する人は、データを見ず、自分で考えない人です。」

「お金に振り回される人は、考えても仕方がないことを考える人です。」

「お金で損する人は、与えられた情報を鵜呑みにする人です。」

 

要するに、お金で損をしないためには、自分のアタマで考えるしかないということです。

 

 

 

続いて本書の前半では、お金を使うこなすために必要な「使う力」と「稼ぐ力」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 手取り収入を「消費」「浪費」「投資」の3つに振り分けて管理する

◆ 手取り収入の20%を投資することを目標にする

◆ 自分のお金を守るために相手の立場に立って考えるクセをつける

 

◆資本には「人的資本」と「金融資本」の2つがあり、若い人ほど「人的資本」は多い

◆ 人的資本はいずれ尽きるため、「貯蓄が貯まらない」=「資本は減っている」となる

◆ 若い人ほど自己投資の効率は良い

 

 

この本の中盤では、自分のアタマで考えるために役立つ「守る力」と「増やす力」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 保険とは貯蓄がない人のために用意された商品

◆ 保険は仕組み上、掛け損になることが自然

◆ 貯蓄は全てのリスクに備える保険の役割を持つ

◆ 自分保険への切り替え目安は200万円ほどの貯蓄

 

◆ 生活防衛資金200万円を貯めてからインデックス投資をすればつみたてを継続できる

◆ 手数料が安く運用成績もいいインデックス投信がお薦め

◆ 一定のペースで一定額を飼い続けるドルコスト平均法は弱者の戦略で利益が出やすい

◆ つみたてNISAは投資の利益に本来かかる20%の税金が非課税になるので有利

 

 

本書の最後では、老後のお金の不安を9割減らす「たった1つの方法」として、年金制度の正しい知識「長く働くこと」について説明しています。

 

 

そして著者自身の人生100年時代における「甘くない人生設計」を以下の通り、紹介しています。

 

◆ 75歳まで働き、年金受給を75歳まで繰り下げて受給額を1.84倍にする

◆ 長生きリスクに対してヘッジ(備え)できるのは、年金の繰り下げ受給

◆ マクロ経済スライドで将来の年金は確実に20%減る

 

◆ これから長く働くことがスタンダードになる世代の人にとって、自己価値を高める自己投資は必須

◆ 長く働くことで、老後のお金の不安はある程度解消できる

◆ 読書を習慣化させて「将来の自分」のために、「今の自分」は何をするかを考える

 

 

あなたも本書を読んで、土台となる「お金の知識」を学び、「あなたにとって何が幸せなのか?」「そもそもなぜそれを幸せと感じるのか?」自分のアタマで考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2508日目】