書評ブログ

『定年博士~生涯現役、挑戦をあきらめない生き方』

70歳からの挑戦で、77歳で経営学博士号を取得した経営コンサルタント「あきらめない生き方」についての本があります。

 

 

本日紹介するのは、1941年生まれ、早稲田大学第一理工学部卒、日本ビクターに11年間勤務した後、独立して中小企業向けの経営コンサルタントとして活動、2011年に70歳で多摩大学大学院に入学73歳でMBA取得、さらに77歳で多摩大学大学院経営情報学研究科博士課程後期修了経営情報学博士(Ph.D.)を取得した吉岡憲章さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

吉岡憲章『定年博士~生涯現役、挑戦をあきらめない生き方』(きずな出版)

 

 

この本は、中高年のビジネスパーソン中小企業の経営者が、人生後半にもう一つの宝物を取ることに挑戦する気持ちを抱き、充実した人生設計を立てるために役立つようにと書かれたものです。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.はじめに 70歳からのチャレンジで、博士号を取得する!

 

2.定年後の人生、これで終わっていいのか~70歳で博士号取得を決意する!

 

3.博士号取得、この挑戦は無謀なのか~ハードルを乗り越えていこう

 

4.定年博士、どう貢献していくか~挑戦の結実を果たす!

 

5.これからの人生、自分に何ができるか~まだまだ挑戦は終わらない

 

6.おわりに 弱くなる体力をカバーしながら、生涯現役を貫く

 

 

 

この本の冒頭で著者は、中小企業の経営再生・成長を指導する経営コンサルタントの仕事をしながら、学び直しを決意し、なぜ博士号取得を目指したのか、という経緯を説明しています。

 

 

 

それは、著者の持論である「経営再生メカニズム」(=企業に介入指導を行い、社長の持つ危機意識を強化し、会社の実行力を向上させる、これにより収益力が改善し、再生を実現して企業価値を向上させていくことにつながる)」について、論理的な解明をし、さらに経営指導の質を高めていくためです。

 

 

 

著者の吉岡さんは、「経営は経験の科学」と考えていて、一つひとつの「経験」を「論理」という串で刺し、串団子にすることの必要性を感じた、ということです。

 

 

 

続いて本書では、博士号取得までの道のり(ステップ)が、主に博士論文を軸に紹介されています。

 

 

 

この本の中盤では、77歳で博士号を取得した「定年博士」として、どのように社会に貢献してくか、について著者の想いが述べられています。

 

 

 

中小企業向けに著者が実践してきた「経営再生のメカニズム」の骨子である以下の3ステップが検証されたとして、社会に責任が出来たと捉えています。

 

 

◆ 社長の危機意識強化

 

◆ 会社の実行力向上

 

◆ 収益改善

 

 

 

要するに、著者の持論である「企業は経営者次第」が証明された、ということです。

 

 

 

本書の最後では、人生100年時代を生きる私たちにとって大切な考え方として、「ジェロントロジー(=高齢化社会工学)」を紹介し、とくに「知の再武装」が中高年の心の支えになる、と指摘しています。

 

 

 

そして、著者の生き方として、次のようなポイントを最後に挙げています。

 

 

◆「知的な好奇心」が脳力を高める

 

◆ 一流の画家は長寿、テロメアがカギ

 

◆ 志を一つにする仲間の存在

 

 

 

◆ つながりがビジネスの幅を広げる

 

◆ 事業承継の「受け皿」をつくる

 

◆ 弱くなる体力を知力でカバーし、生涯現役を貫く

 

 

 

この本は、2018年に私、大杉潤が出版した『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて提唱している、「トリプル・キャリア」による生涯現役の人生設計共通する考え方が多く、心から共感しました。

 

 

 

 

あなたも本書を読んで、人生100年時代に、「生涯現役、あきらめない生き方」を学び、実践してみませんか。

 

 

 

2020年5月14日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第94回】生涯現役に挑戦する生き方「定年博士」にて紹介しています。

 

 

 

 

 

毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

 

 

では、今日もハッピーな1日を!