「定年退職時に３０００万円ないと破産する」はウソ！と提唱している本があります。
本日紹介するのは、証券会社出身の経済コラムニストで定年男子の大江英樹さんと、社会保険労務士でファイナンシャル･プランナーという年金通の井戸美枝さんの共著による、こちらの新刊書籍です。
大江英樹･井戸美枝『定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門！』（日経BP社）
この本は、元証券マンで経済コラムニストの定年男子（６５歳）と、年金通の社会保険労務士の女子（５８歳）という、お金のプロふたりが、本音で語る「金持ち老後」入門です。
本書は以下の５部構成からなっています。
１．「老後破産」が不安なあなたに・・・・・
２．「金持ち老後」のために知っておくべきこと
３．月８万円の収入で「老後の赤字」は消える
４．病気と介護にかかるお金 ホントのところ
５．幸せな老後のために４５歳からやっておくべきこと
本書の冒頭で著者は、高齢期の３大不安である、①健康、②お金、③孤独、のうち、「定年男子」にとって最も深刻な問題は「孤独」だ、と述べています。
とくに会社員だった人は、定年後は、「きょういく」と「きょうよう」が大事だ、ということです。これは、「教育」と「教養」ではなく、「今日行く（ところがある）」と「今日、用（がある）」を指しています。
また、年金生活のプロの立場で言えることは、「毎月決まった給料が入らないことのダメージ」が大きく、２ヶ月に１回、偶数月に受け取る年金の使い方が難しい、ということです。
そして、人生９０年時代になった今では、人生を以下の４つのステージに分けて考えることが重要です。
１．育ちの期間（誕生～２５歳）
２．人生フル回転の期間（２５～５０歳）
３．自由になれる黄金の期間（５０歳～７５歳）
４．余生（楽しいおまけ）の期間（７５歳～）
また、本書で面白いのは、「６０歳から何をして過ごすか？」について、「仕事をする（収入あり）」の場合と、「仕事をしない（収入なし）」の場合に分けて、３つずつのパターンを整理して示している点です。
まず、「仕事をする」場合は、以下の３つです。
１．再雇用
２．転職
３．起業
そして、「仕事をしない」場合は以下の３つになります。
１．趣味
２．団体活動
３．生涯学習
本書では、「６５歳まで再雇用でぼんやり過ごしてしまうのはリスキーだ」と述べています。それは、再雇用に応じると６５歳でほぼ確実に職を失うからだ、ということです。
やはり、生涯現役を貫きたいのであれば、起業する（自営業になる）のが、王道でしょう。自分が引退する年齢や時期を自分で決められるからです。
それから本書で著者が薦めているのは、「会社を辞めた後まで嫌な仕事をする必要はない」ということです。つまり、お金がすべてではなく、多少なりとも「世の中の役に立つことをしよう」と提唱しています。
さらに本書の後半では、「健康とお金には共通点がある」として、次の３点を挙げています。
１．どちらも人にとって大事なもの
２．手に入れるために多くの人が努力する
３．本来は手段なのに、往々にして目的と化す
本書の最後には、「幸せな老後のために４５歳からやっておくべきこと」が記されています。主なものを以下に紹介します。
◆ 人脈をつくる
◆ コミュニケーションを大切にする
◆ 老後資金の準備をする
◆ 社会保険を大切に！
◆ 生活の無駄をなくす
◆ 健康に気をつける
会社員の場合は、上記の１、２番目が、自営業の場合は上記の３、４番目がとくに大切です。そして、両者に共通して大事なのが、上記の下の２つ（５、６番目）で、老後生活の基盤になるものです。
もうひとつ、本書で紹介されている「長い老後を豊かに暮らす知恵」として、「ひがむな、ひるむな、引っ張るな」は、参考になるモットーです。
あなたも本書を読んで、定年男子、定年女子による「金持ち老人」になるための４５歳からの準備について、学んでみませんか。
2020年5月2日に、YouYubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第82回】定年男子、定年女子の「金持ち老後入門」、似て紹介しています。
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では、今日もハッピーな１日を
