「ヨーロッパの富裕層の投資・運用スタイルが多くの日本人にも向いている」と述べて、決して表に出ない超富裕層のお金の哲学や投資・運用の考え方について解説している本があります。
本日紹介するのは、日興証券ニューヨーク現地法人の財務担当役員、ドレスナー・クラインオート・ベンソン証券およびINGベアリング証券でエクイティ・ファイナンスの日本及びアジア・オセアニア地区最高責任者などを歴任、現在はアリスタゴラ・アドバイザーズ代表取締役会長の篠田丈さんが書いた、こちらの書籍です。
篠田丈『「本当のお金持ち」から学ぶ正しいお金の増やし方』(小学館)
この本は、長年にわたり日米欧の金融業界に身を置いてきた著者の経験をもとに、これから日本人が投資や資産運用を行うにあたって、ぜひ知っていただきたい考え方と基本的な知識をまとめた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.私が見てきたヨーロッパの富裕層たちの「お金の感覚」
2.ヨーロッパの富裕層がお金を守り増やしてきた投資哲学
3.だまされるな!投資を始める前に知っておくべきこと
4.実践!長期的にお金を守り増やすための投資戦略
5.これからの世界経済と投資戦略を考える
6.投資と資産運用は生涯続けるもの
この本の冒頭で著者は、「資産をしっかりと守り、着実に増やし、さらに世代を超えて引き継いでいくのがヨーロッパの富裕層の流儀である」と述べています。
本書の前半では、「ヨーロッパの富裕層たちのお金の感覚」および「ヨーロッパの富裕層がお金を守り増やしてきた投資哲学」について、以下のポイントを紹介しています。
◆ ヨーロッパの富裕層はブランドや流行には無頓着
◆ 本物の富裕層とは少なくとも純金融資産が5億円以上
◆ 伝統的な「プライベートバンク」は長期的な視点で顧客のニーズを理解し、問題を解決
◆ 総合銀行の「プライベートバンキング」は利益追求で顧客との利益相反になりやすい
◆ ヨーロッパの富裕層は、➀日常のお金、②事業のお金、③子孫のお金、④社会のお金の4つに分類
◆ ヨーロッパの富裕層のお金との付き合い方は、何十年も続けているところに凄みがある
◆ ヨーロッパの富裕層は運用でレバレッジをかけていない
◆ ヨーロッパの富裕層は運用を「誰に任せるか」を重視
この本の中盤では、「投資を始める前に知っておくべきこと」および「長期的にお金を守り増やすための投資戦略」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆「金融リテラシー」とは詐欺にひっかからないこと
◆ 投資や資産運用で危険なのは、少しうまくいったら常識が消えてしまうこと
◆ 投資や資産運用の常識とは、論理と根拠を絶えずチェックすること
◆「何に投資するか」よりも「誰と取引するか」のほうが問題
◆ 投資や資産運用の鍵は「長期」「分散」「ほったらかし」
◆「長期」とは、20年から30年のスタンス
◆「分散」とは、逆相関や無関係の商品を選び組み合わせること
◆「ほったらかし」にできる状態をつくるため、レバレッジはかけない
◆ リスクとリターンの関係を考えた上で一貫した方針で長期運用する
本書の後半では、「これからの世界経済と投資戦略を考える」ことおよび「投資と資産運用は生涯続けるもの」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 中国の不動産バブルをめぐる状況は甘く見ないほうがいい
◆ 米国の長期金利の上昇は一時的で心配いらない
◆ 日本の金利が低いのは潜在成長率が低いためで、今後も変わらない
◆ 円建て資産を持つ日本人は、円安に進むリスクを視野に入れておくべき
◆ FIREは日本人には向いていない
◆ 若い人はまず自分に投資した方がいい
◆ ヨーロッパの富裕層にとって投資や資産運用は生活の一部
◆ 資産形成に取り組もうとする人は、まず本業の仕事で稼ぐことが先決
あなたも本書を読んで、「本当のお金持ち」から心の余裕を持って金融の楽しさを感じる「正しいお金の増やし方」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2660日目】