永世名人とノーベル賞科学者、60歳を過ぎても新たな挑戦を続ける1962年生まれの二人が、60代以降の生き方、「大人の役割」、健康法や、iPS細胞技術で進む老化防止の研究など、最新の知見も交えながら縦横に語り合っている本があります。
本日紹介するのは、永世名人の谷川浩司さんと、iPS細胞研究者でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥さんが書いた、こちらの書籍です。
谷川浩司・山中伸弥『還暦から始まる』(講談社プラスα新書)
この本は、京都大学iPS細胞研究所(CiRAサイラ)にて、谷川浩司さんと山中伸弥さんが、「老い」や「長寿」をテーマとして人生を語り合った対談の書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.六十代からの人生に希望はありますか
2.iPS細胞でどれだけ健康寿命は延びますか
3.将棋に強くなる遺伝子はありますか
4.マラソンは健康長寿につながりますか
5.AIで老化を防げますか
6.いつまで現役を続けますか
7.次の世代に何を伝えますか
8.どんな死を迎えますか
この本の冒頭で著者の谷川さんは、「私たちシニア世代は若い世代から刺激や力を得る一方で、自分の経験と知見という財産を後続世代に伝えていくという役割を担っています。」と述べています。
本書の前半では、「六十代からの人生に希望はありますか」「iPS細胞でどれだけ健康寿命は延びますか」および「将棋に強くなる遺伝子はありますか」について以下のポイントを説明しています。
◆ 60歳は人生の節目だが、頭の瞬発力が落ちてきた
◆ AIなど技術の進化で、60代からでも進化できる時代
◆ 老化のプロセスをiPS細胞の技術を使って解明する
◆ 120歳が寿命の限界、できるかぎり健康寿命を延ばす
◆ 一番の健康は精神的に豊かな人生を送ること
この本の中盤では、「マラソンは健康長寿につながりますか」「AIで老化を防げますか」および「いつまで現役を続けますか」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ クールダウンしない脳、睡眠をできるだけ取る
◆ 80歳、90歳で元気な方は「全部自分の歯」で、「朝からステーキ」を食べる人も
◆ AIとの「対決」から「共存」へ
◆ AIが脳の老化を防止する
◆ 人生必ずどこかで下りも楽しまないとダメ
本書の後半では、「次の世代に何を伝えますか」および「どんな死を迎えますか」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 歴史を継承し伝えていく義務
◆ 精神面を伝える師匠の役割
◆ レジリエンスとは、つらい出来事があったとしても、しなやかに対応して生き延びる力
◆ 生きていることは当たり前ではない
この本の締めくくりとして著者の山中さんは、「その次の世代では、一つの研究成果が今は考えもつかないような新たな発見や技術にきっとつながっていくと思います。そうして科学は進展し、人類に貢献してきました。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「老化」「長寿」「死」そして「人生」について、改めて見直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3567日目】