書評ブログ

『人気情報番組の放送作家がこっそり教える タダでテレビに取り上げられる方法』

「ネット時代の今こそ、テレビでのPRが有効です。」と述べて、「テレビマンの考え方がわかれば、取り上げられる」と解説している本があります。

 

 

本日紹介するのは、放送作家歴30年「情報・報道番組」を中心に担当し、番組に取材ネタを提案することを得意として、その採用率は7割を超えるという石田章洋さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

石田章洋『人気情報番組の放送作家がこっそり教える タダでテレビに取り上げられる方法』(日本実業出版社)

 

 

この本は、著者が地上波キー局で30年学んだコツをすべて公開し、せっかくいい商品を提供していながら、「世の中に知られていない」といった理由だけで苦労している、小さな会社やお店、あるいは地方の人に、著者がテレビ業界で培ったノウハウを役立ててもらうために書かれたものです。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.メディア・リテラシーが高まった時代、「PR戦略」も変化する

 

2.テレビの「PR効果」は、やはりあなどれない

 

3.どうすれば、タダでテレビに取り上げられるのか

 

4.中の人だからわかる、「テレビ取材の確率」を高めるアプローチ術

 

5.テレビの取材を一過性のものにしないために

 

 

 

この本の冒頭で著者は、テレビの制作現場に届くプレスリリースの99.9%はそのままゴミ箱に捨てられてしまう、と述べています。

 

 

 

それは、以下に挙げる「テレビ番組に情報提供するコツ」を掴んでいないためだ、と著者は言います。

 

 

◆「情報爆発」時代のPR戦略は、テレビトネットの双方のチカラをうまく組み合わせながら情報発信していくこと

 

◆ もはや賢い消費者は広告に騙されない、たまたま偶然に出会った情報を信頼する

 

◆ テレビに出るなら「情報・報道番組」を狙え!「情報」としてポジティブに紹介してもらうこと

 

 

 

そして本書では、「主婦や高齢者が関心を寄せるテーマ=訴求ポイント」として、以下の10項目を挙げています。

 

 

1.収入を増やす

 

2.お金を節約する

 

3.もっと健康に

 

4.医療対策

 

5.老後の安心

 

 

 

6.喜び(孫や趣味)

 

7.家事をもっと楽に

 

8.快適さ(暑さ・寒さ対策など)

 

9.脂肪をもっと減らす

 

10.心配から解放される

 

 

 

実は、この一覧には元ネタがあり、アメリカの広告業界における伝説的なコピーライターであるジョン・ケープルズが書いた『Tested Advertising Methods』(邦訳は『ザ・コピーライティング』(ダイヤモンド社))です。同書に、売上をアップし続けるための「訴求ポイント」として、この10項目がリストアップされています。

 

 

 

これらは洋の東西を問わず、どんな時代にも通用する、人の基本的な興味・関心なのです。

 

 

 

この本の中盤では、「どうすればタダでテレビに取り上げられるのか」について、具体的に解説しています。

 

 

 

まず大切なのは「数字」テレビ番組は「情報」が命で、視聴者に役立つ=視聴率が取れるかどうか、です。

 

 

 

そして、「伝えたい想い」テレビマンの原動力です。つまり、求められているのは「より多くの人に伝えられるネタ」なのです。

 

 

 

著者が考える、テレビマンが「これは多くの人に届きそうだから、伝えたい」と飛びつく「4原則」を次の通り、挙げています。

 

 

1.「なぜ、今か?」がわかる <斬新性>

 

2.公共性がある

 

3.「なぜ、それか?」(差別的優位性)がわかる <意外性>

 

4.画(映像)になる

 

 

 

上記4原則のそれぞれについて、本書では具体例を紹介しながら詳しく解説しています。とても参考になりますので、ぜひこの本を手に取って確認してみてください。

 

 

 

とくに2番目の「公共性」は大切で、みんなのため(=社会のため)になる、という視点です。

 

 

 

ポイントは、自分事だと思っていることを、視点を高くして(視座を高めて)、このことは「社会にとってどんな意味を持つのか」を考えてみることで、「公共性」を持つことになる、という発想です。

 

 

 

つまり、あなたの提供する商品やサービスが、どんなタイミングで社会貢献できるのかを考えてみることです。

 

 

 

この本の最後で著者は、プレスリリースは「タイトルが9割」であると指摘し、そのタイトルに必ず、上記の4原則(➀斬新性、②公共性、③意外性、④画になる要素)を入れることを提唱しています。

 

 

 

さらに、どういう取材ができるのか、画が撮れるのかという「取材項目」を添えてあげるといい、とアドバイスしています。

 

 

 

この本は著者の石田章洋さんにとって10冊目となる区切りの本で、執筆開始が放送作家になって30年の節目の年だ、ということです。いわば、30年の放送作家生活の集大成とも言える書で、ぜひお薦めしたい一冊です。

 

 

 

あなたも本書を読んで、「情報爆発」時代のPR戦略として、SNSなどネットによる発信に加え、テレビによる発信を組み合わせた情報発信を学び、実践してみませんか。

 

 

 

2020年4月27日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第77回】タダでテレビに取り上げられる方法とは?にて紹介しています。

 

 

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!