ANA、ディズニーなど、一流のサービスとお客様から学んだコミュニケーション術を、豊富な体験や事例を交えて分かりやすく説明している本があります。
本日紹介するのは、全日本空輸(ANA)にて7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わり、在籍中にオリエンタルランドに出向してディズニーのサービスや教育を学んだほか、2回の転職を経て独立し、現在は接遇マナー、コミュニケーション、人材育成等の企業研修、セミナー、講演などで活躍する桑野麻衣さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
桑野麻衣『思わずマネしたくなる 好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』(クロスメディア・パブリッシング)
この本は、著者の桑野さん自身の話し方や言葉に関する失敗体験や成功エピソードから学んだ45のポイントをまとめた書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.プロローグ 思いや考えを上手に伝えるために
2.「聴き上手」な人の言葉づかい
3.「話し上手」な人の言葉づかい
4.「話し上手」な人の表情と発声
5.信頼される「正しい言葉づかい」
6.エピローグ 言葉より大切なこと
この本の冒頭で著者は、自らの経験を踏まえ、たどりついたコミュニケーションの定義は、「コミュニケーションとは “ ココロ ” を “ カタチ ” にすること」というもの、と述べています。
つまり、桑野さんが大切にしてきたものは、初対面からいかに短時間で、次の3つを「言葉にして体現」し、「正しく自然に相手の心に入り込むか」だとしています。
◆ 相手への敬意・尊重する気持ち
◆ 親しみやすさ(馴れ馴れしさではない)
◆ 相手への関心や好意
そして、コミュニケーションには日々の姿勢が表れて、どんなにスキルを磨いても、そこに心がないのであれば、相手には簡単に見破られてしまうと指摘しています。
本書には、著者が自らの経験から習得した様々なコミュニケーション術がポイントとして紹介されていますが、とくに以下のポイントは私の心に響きました。
◆ 相手の話題に合った表情のミラーリングで共感を示す
◆ ペーシングではペース以上にトーンを合わせる
◆ 事実・感情のバックトラッキングと要約の手法
◆ 「ゴールデンサイレンス」は自信を持って待つ、たたみかけない
◆ 誰に何を「感謝」しているのかを明確にする
◆ 「感謝の貯金」をする
◆ 「謝罪」では必ず、誰に何を、を明確にする
◆ 相手の感情に思い切り共感し、味方になる
◆ 主語+感情でリアクションする
◆ 知識を話す際に体験談や経験談をセットで伝え、「共感」を表現する
◆ 断わる前に「ありがとうございます」からスタートする
◆ 話す内容と「声」の表情を合わせる
◆ 一流の話し手は聞く時の表情も豊か
◆ 「間」は、聞き手のための時間-強調、問いかけ、整理
◆ 「馴れ馴れしい」と「親しい」は、言葉づかいで変わる
そのほか、この本では途中に挟まれている「コラム」がとても面白く、興味深く、読めます。
例えば、今何かと話題になり、ベストセラーも出ている「雑談」について。逆効果になってしまっている「雑談」の話はいろいろと考えさせられます。
また、自己紹介の「男性脳バージョン」と「女性脳バージョン」の違いは、著者自身の具体例が掲載されていて、とても参考になります。詳細はぜひ、本書を実際に手に取ってお読みください。
最後のコラムは「自己開示」について。著者の転職時のエピソードも紹介されていて、その大切さがよく分かります。特に面白いのが、相手が自己開示しやすくなるような重すぎない「2つのエピソードネタ」を用意する、ということです。
1.「相手が共感できる」いままで恥ずかしかったエピソード
2.「相手が素直に褒めることができる」自慢できるエピソード
とくに「自慢できるエピソード」は、なるほどと感じ、学ばせていただきました。理由はぜひ、実際に本でご確認ください。
この本の最後で著者は、「言葉より大切なこと」として、以下のメッセージを読者に届けています。
「相手の反応は自分のコミュニケーションの成果である」
信頼感や好感につながる話し方や生き方をテーマにした、このビジネス書で書かれていることは、そもそも一人ひとりの「生き様」や「心のあり方」に通ずると、著者は言います。
研修の受講者に語りかけるように、読者にも愛情たっぷりに伝えてくれています。「コミュニケーションの真髄」を学べる本として、ぜひ一読をお薦めします。
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では、今日もハッピーな1日を