『スパイは日本の「何を」狙っているのか』
「スパイは映画やドラマの中だけの存在」― そう思っているとしたら、この本は、その認識を静かに、しかし確実に覆してきます。
本日紹介するのは、1990年代半ばに警視庁に入庁し、長年にわたり公安・外事分野で実務を担い、現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活動する勝丸円覚さんが著した、こちらの書籍です。
勝丸円覚『スパイは日本の「何を」狙っているのか』(青春新書)
本書のキーワードは、非常に明確です。それは ―「日本は、いまも現実のスパイ活動の最前線にある」という事実。
スパイを直接取り締まる包括的な法律がない日本は、海外から「スパイ天国」と呼ばれることがあります。インバウンドの増加、海外企業の進出、外国人留学生の増加など、開かれた社会であるがゆえに、日本は “静かに侵入しやすい環境” になっていると、著者は指摘します。
本書は、恐怖を煽るのではなく、「スパイは何を狙い、どのように行動するのか」を知ることで、私たち自身が身を守る視点を持つことを目的としています。
本書は、以下の6部構成から成っています。
1.「スパイ天国」日本で暗躍するスパイの真の狙い
2.日本の学びの場にも潜り込むスパイたち
3.地政学から読み解くスパイ最前線
4.知られざる諜報活動の攻防戦
5.スパイが目をつける「人」
6.海外でスパイから身を守る方法
本書の前半では、「なぜ日本が狙われやすいのか」という構造的な問題が解説されます。主なポイントは以下の通りです。
◆ スパイ行為そのものを直接処罰する法律がない日本の特殊性
◆ 技術・研究・人的ネットワークが主な標的になっている現実
◆ 企業・研究機関・自治体も例外ではない
◆ 情報は「盗む」のではなく「渡させる」時代
◆ 表向きは善意に見える接触の危うさ
この本の中盤では、大学や研究機関、企業など、私たちの身近な場所で起きている諜報活動が描かれます。主なポイントは次の通り。
◆ 留学生・研究交流を装った情報収集
◆ 学術分野が狙われやすい理由
◆ 地政学的緊張とスパイ活動の関係
◆ 国家同士の水面下での情報戦
◆ 「知らないうちに関わってしまう」リスク
本書の後半では、スパイの具体的な手口と、個人ができる防衛策に焦点が当てられます。主なポイントは以下の通りです。
◆ スパイが最終的に狙うのは「人」
◆ 金銭・名誉・承認欲求につけ込む手法
◆ 海外出張・留学時に注意すべきポイント
◆ 「普通の会話」から始まる情報流出
◆ 身を守るために必要なのは過度な警戒ではなく知識
この本を読んで強く感じるのは、「スパイ対策は、国家だけの問題ではない」ということです。私たち一人ひとりが、どんな情報を持ち、どんな立場にあり、どのように人と関わるのか。その積み重ねが、結果として国家や組織の安全につながっていきます。
国際情勢や安全保障に関心のある方はもちろん、
・企業で機密情報を扱う方
・研究・教育分野に関わる方
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こうした方々にとって、「知っておくべき現実」を冷静に教えてくれる一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【3960日目】








