書評ブログ

『ボケ日和-わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?』

「認知症患者の家族だった私が、何より強く感じていること。それは、介護者の心と生活に余裕が余裕がなければ、患者さんを笑顔にすることはできないということです。」と述べて、「認知症は知っていることが大切」ということを講演で普及している認知症専門医が書いた本があります。

 

 

本日紹介するのは、1966年生まれ、名古屋市立大学医学部卒業、医学博士で、日本老年病学会専門医、さらにファイナンシャルプランナー資格を持ち、病気だけでなく生活、家族も診るライフドクターとして、地方のクリニックでありながら、在宅医療では開業以来、50,000件以上の訪問診療、500人以上の在宅看取りを実践し、現在は医療法人ブレイングループ理事長として、在宅生活を医療・介護・福祉のあらゆる分野で支えるサービスを展開している長谷川嘉哉さんが書いた、こちらの書籍です。

 

長谷川嘉哉『ボケ日和-わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?』(かんき出版)

 

 

この本は、認知症の進行段階を「春」「夏」「秋」「冬」の4つの章に区切って、各段階で患者さんにどんな症状が表れるかを、認知症専門医である著者が出会った患者の具体的事例を仮名で紹介しながら紹介・解説している書です。

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

1.ちょっと変な春【認知症予備軍】

2.かなり不安な夏【初期・軽度】

3.困惑の秋【中期・中等度】

4.決断の冬【末期・重度】

 

 

この本の冒頭で著者は、「認知症がどう進行するかを知っていると、患者さんにギョッとするような症状が出てきても、介護者さんは余裕をもって対処ができます。ときどき、笑えます。すさみがちになる心を守れます。」と述べています。

 

 

そして、今の時代は「患者さんファースト」が当たり前の流れになっていますが、介護の世界では守る側の人間に余裕がなければ、結局は守られる側の患者さんも幸せになれないでしょう、と著者は言います。

 

 

つまり、以下の順番だというのが認知症専門医著者の見解です。

 

◆ まずは、介護者が心身を守る余裕を持てるようにすること

◆ 患者さんのことを考えるのは、その次

◆ 上記の順番をはき違えてはいけない

 

 

本書の前半では、認知症予備軍であるMCI(Mild Cognitive Impairment = 早期認知障害)について、以下の事実や特徴的な症状、および対処法を説明しています。

 

◆65歳以上の日本人高齢者の6人に1人(400万人)

◆ 待つことが難しくなる(脳の前頭葉の機能低下で衝動が抑えられなくなる)

◆ モンスタークレーマーとなり「知らん」「聞いとらん」を連発

◆ 理論や理屈を理解できなくなる

 

◆ 詐欺に引っかかる(長い話を早口で言われると混乱して判断できなくなる)

◆ MCIには運動やコミュニケーションを通じた非薬物療法

◆ 外へ出て新しいことをする、家事の役割を与えるなど脳に刺激を

◆ MCIのうち約50%は5年以内に認知症に移行する

 

 

この本の中盤では、初期(軽度)および中期(中等度)の認知症について、その特徴的な症状や対処法・治療法について解説しています。初期(軽度)認知症の主なポイントは次の通り。

 

◆ 認知症は「老化の一環」で、最大の要因は「加齢」

◆ 90歳代の6割、100歳以上の7割は認知症

◆ 薬の管理ができなくなる

◆ 着衣失行(服を着るのが難しくなる)

◆ 通帳をよくなくす、料理ができなくなる

 

◆ 何度も同じ話を繰り返す、怒っても大丈夫

◆ 見当識障害(自分がいつ、どこにいるか分からなくなる)

◆ 介護者から情報を伝える「リアリティ・オリエンテーション」を

◆ 時間軸がずれる(自分が20歳代や50歳代に戻ってしまう)

◆ デイサービスは患者にも介護者にもプラスで人気

 

 

続いて、中期(中等度)認知症の症状、治療法・対処法などのポイントは以下の通りです。

 

◆ 幻覚、易怒性、嫉妬妄想、性欲異常などの周辺症状は、1~2年で落ち着く

◆「お金盗った!」は介護の勲章(頼りになる人へ不安な感情をぶつける)

◆ 周辺症状は、薬で抑えられる(メマリー錠=メマンチン塩酸塩錠)

◆ 帰宅願望は時間軸のずれから起こる、視点をずらすとよい

 

◆ グループホームは急いでいる人が誰もいないので雰囲気が和やかでプラス

◆ 夫婦で認知症は意外とうまくいく

◆ 入浴や睡眠は少なくても大きな支障はない

◆ 幼いころの躾は認知症になっても残る

 

 

本書の終盤では、末期(重度)認知症に関して、以下の留意点を説明しています。

 

◆ 物事への関心が薄れ、生活のすべてに介助が必要に

◆ いつまで家で生活できるか、冷静に判断を

◆ 入所しても介護負担がゼロになるわけではない

◆ 手を出せないなら口を出してはいけない、金を出すこと

 

◆ 人間は必ず食事を摂れなくなって死ぬ

◆ 食事ができなくなって1~2週間で亡くなる人が多い

◆「家族の死」を見たとき、人間は変わる

◆ 介護者は自分で看られるところまでは看る、それ以上は他人の手を借りる

 

 

あなたもこの本を読んで、人生100年時代、誰もが避けられない道で迷わないために、認知症専門医が教えてくれる「ボケ方上手と介護上手」を学び、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2533日目】