「ファイナンス理論が金融リテラシーの基礎であることに変わりはない。」「ファイナンス理論から導かれるシンプルな結論は、『初心者は難しいことを考えず、世界株のインデックスファンドに長期の積み立て投資をすればいい』になる。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、2002年国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビューし、数々の著書でベストセラーを連発している作家の橘玲さんが書いた、こちらの書籍です。
橘玲『新・臆病者のための株入門』(文春新書)
この本は、2006年4月に刊行され、現在まで26刷を重ねるロングセラーとなった『臆病者のための株入門』に「臆病者のための新NISA活用術」を加えて、新版としたものです。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.株で100万円が100億円になるのはなぜか?
2.ホリエモンに学ぶ株式市場
3.デイトレードはライフスタイル
4.株式投資はどういうゲームか?
5.株で富を創造する方法
6.経済学的にもっとも正しい投資法
7.金融リテラシーが不自由なひとたち
8.ど素人のための投資法
9.臆病者のための新NISA活用術
この本の冒頭で著者は、「本書の親本では、世界市場に投資する方法として『MSCIコクサイ・インデックス』に連動するファンドを推奨したが、その20年間の年平均リターンは約11%だった。」と述べています。
本書の前半では、「株で100万円が100億円になるのはなぜか?」「ホリエモンに学ぶ株式市場」および「デイトレードはライフスタイル」について以下のポイントを説明しています。
◆ 株式投資はギャンブルである
◆ 複利とレバレッジで無限の富を手に入れられるのは「失うものがない人」だけ
◆ ホリエモンは資本主義そのもの
◆ 株式投資は美人コンテストで会社の中味は関係ない
◆ 株式トレードは心理ゲーム
◆ トレーディングはゼロサムゲーム
この本の中盤では、「株式投資はどういうゲームか?」「株で富を創造する方法」および「経済学的にもっとも正しい投資法」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 株式市場で富を創造する3つの方法:①デイトレーディング、②個別株長期投資(バフェット流投資法)、③インデックスファンド(経済学的に最も正しい投資法)
◆ 株式投資は確率のゲームである
◆ 株式市場は概ね効率的だが、わずかな歪みが生じている
◆ 資本主義は自己増殖的なシステムで長期的には市場が拡大して株価は上昇する
本書の後半では、「金融リテラシーが不自由なひとたち」「ど素人のための投資法」および「臆病者のための新NISA活用術」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ぼったくりを目的とする商品がある
◆ 愛情と称して偽善を売る保険会社
◆ 最大の資産はあなた自身
◆「生涯共働き」が最強の人生設計
◆ 金融資産の95%を外貨建てで運用しなければならない
◆ 世界市場ポートフォリオとなるMSCIワールドインデックス(現在のオルカン)
◆「トーシロ投資法」では、ポートフォリオの2割でアクティブ投資
◆ 老後を短くすればいい、余裕資金はすべてNISAに
この本で提唱しているシロウトのための投資法は、拙著『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)にて私が勧めている「長期・分散・積立」で外貨建てインデックス投信を買っていくのと共通するコンセプトで共感しました。
この本の巻末には、「参考文献:さらに詳しく知りたいときは、この本を読もう。」が掲載されていて参考になります。
本書の締めくくりとして著者は、「私が投機を勧める気にならないのは、必ず損をするからだ。」「私自身はここで述べたような『合理的な投資法』を実践しているわけではない。ひとには、正しくないことをする自由もあるからだ。」と述べています。
あなたも本書を読んで、経済学(ファイナンス理論)的に最も正しい合理的な投資法を学び、資産形成に実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3570日目】