「超高齢社会の到来とともに日本人の働き方は大きく変わる。」と提唱し、シニア人材の活用を説いている本があります。
本日紹介するのは、都市銀行でマネジメント職を歴任して定年後に起業し、多数のシニア人材を雇用する経営者の中原千明さんが書いた、こちらの書籍です。
中原千明『シニア人材という希望』(幻冬舎新書)
この本は、日本の人口において、2010年時点で30%を占め、2055年には約半数を占める60歳以上の高齢者を、人手不足に苦しむ企業が、いかに活用すべきかを説いている書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.豊富な知識、経験、人脈・・・・、シニア人材が日本を救う
2.シニア人材が生涯現役で活躍するために必要なこと
3.シニア人材に活躍してもらうために企業で取り組むべきこと
4.【実録】社会で輝くシニア人材たち
この本の冒頭で著者は、シニア人材の魅力として、以下の点を挙げています。
◆ 専門知識と経験が豊富
◆ 幅広い人脈をもっている
◆ 安い賃金でも意欲的に働いてくれる
◆ 仕事のやりがいを重視する
◆ 成功も失敗も数多く経験している
◆ 即戦力になる
また一方で、シニア人材の問題点としては、次の点を指摘しています。
◆ 過去の実績、栄光にしがみつきたがる
◆ 上下関係をつくりたがる
◆ 社会・環境の変化に対応しにくい
◆ 褒めて育てることが難しい
◆ ハングリー精神がない
◆ 健康・体力面で劣る
以上のシニア人材の「魅力」も「問題点」も、おそらく雇用や活用を経験した企業には、納得できるものが多いでしょう。
次に、シニア人材が「生涯現役」でいるために必要なことが、本書には記されており、興味深く読めます。
◆ できるだけ過去にこだわらず、前へ進むことしか考えない、先のことをいつも考える
◆ 健康に気をつけること、元気で働いている自分の姿をいつもイメージする
◆ 周囲の人に必要とされる人間であること
◆ 定年までに会社を離れても売りになるようなスキルを持つ
本書の後半には、シニア人材を活用するために企業が取り組むべきことが書かれています。先に述べたシニア人材の問題点にいかに対応するか、ということになります。
とくに以下の点についての対応法は参考になります。項目だけ紹介しますので、詳細はぜひ、この本をお読みください。
◆ 重要なのは「認める」こと
◆ 成長することの喜びを感じてもらう
◆ 上下関係をなくす
◆ シニア人材とのコミュニケーションにはコツがある
◆ やる気とやりがいを引き出す
◆ 能力や特性に応じて「役割」を設定する
本書の最後には、定年後も現役として会社で活躍しているシニア人材の実例が紹介されています。私と同じ日本興業銀行の出身者や、早稲田大学の出身者など、身近に感じられる実例が多く、参考になりました。
また、結びのコラムには、100歳のサラリーマンとして本を出版された福井福太郎さんの経歴や定年後の活躍が紹介されています。その著書はこちらです。
あなたも本書を読んで、シニア人材の活用や、自らの定年後の働き方について、考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を