「四つの思考ステップですべての問題が解決できる!」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さんが書いた、こちらの書籍です。
前野隆司『思考脳力のつくり方-仕事と人生を革新する四つの思考法』(角川oneテーマ21)
この本は、システムについて体系的に伝えようと試みている書です。「仕事に役立つシステム思考」から「よりよい人生の歩み方」まで、これまでの日本の教育に欠けていた部分を体系的・網羅的に述べた本とも言えます。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「仕事に役立つシステム思考」から「よりよい人生の歩み方」まで
2.いま、「大きなビジョン」を描く力が求められている
3.虫の目と鳥の目で世界を視る
4.論理と科学の限界を超える
5.世界全体をシステムとして捉える
6.思考を整理する-自在の視点を身に付けるための実践問題集
7.四つの思考でポスト・資本主義の世界の実現を!
この本の冒頭で著者は、ベスト・ジョブズ・イン・アメリカのナンバーワンがシステムエンジニアだと紹介しています。
アメリカで言う「システムエンジニア」の定義は、主要な交通ネットワークシステムから軍事防衛プログラムまで、様々な大規模で複雑なプロジェクトを「大きく考える(think big)」マネージャーです。
必要な技術的スペック(仕様)を決定するとともに、プロジェクトの詳細部分を担当するエンジニアの仕事のコーディネートも行います。
つまり、日本で言う情報系のエンジニア(SE)よりはるかに定義が広く、社会システムやハードウェアシステムも含む問題を全体レベルで解決する職種が「システムエンジニア」で、「木を見て森も見る」仕事です。
そして著者は、「人生はシステムである」として、人生というのは、様々に入り混じった大規模で複雑な事象の関係性の中で、延々と判断を繰り返す、自己システムのデザイン&マネジメントだ、と述べています。
つまり、あなたは様々な要因を考慮して人生の目標やビジョンを決定するとともに、日々の生活上のさまざまな事柄の調整も行うマネージャーです。
本書の前半では、現代は「不確実性の時代」で、「大きなビジョンを描く力」が求められている、と記されています。
日本人はとくにこの力が身についていなくて苦手な人が多く、システム思考が必要な時代になっている、と著者は言います。
それは、虫の目と鳥の目の両方を持って世界を視ることで、「大きなビジョンを描ける人」であり、かつ、「小さな改善を行う人」でもなければなりません。
次に、すぐに使えるシステム思考の方法として、「MECE(ミーシー or ミッシー)」と「ロジックツリー」を紹介、説明しています。
MECE とは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive (相互に排他的で、集めると全てを尽くす=漏れなくダブリなく)の略で、問題を分析したり整理したりするときに確実な分析ができる考え方です。
また、ロジックツリーは、MECE な分類を、何段か重ねたもので、同じ階層をMECE で分類して、問題を分析・整理していく手法です。
そして、「ツリー型の手法」に加えて、「ネットワーク型の手法」と「マトリックス型の手法」を、システム思考やシステム工学では活用しています。
ほかにも、システム思考において重要な考え方が詳しく説明されていますが、詳細はぜひ本書を手に取ってお読みください。主な考え方や手法を以下に挙げておきます。
◆ 「モデル化」により現実を単純化・抽象化する
◆ 他人の目から見る視点を身につける
◆ 時間も空間も立場も超える多視点思考
◆ 絶大な効果があるグループ思考
◆ 現代社会派複雑系
◆ 論理とは世界を単純化した「モデル」
◆ 「ベスト」はも止まらないので「ベター」な解を求めていく
◆ 「利他的思考」の時代
この本の最後には、以下の通り、仕事と人生を革新する思考の「四つのステップ」を挙げています。
1.要素還元思考(ものの奥の奥を見る)
2.システム思考(木も見て森も見る)
3.ポスト・システム思考(論理と科学の限界を超える)
4.システム思想(世界全体をシステムとして捉える)
とくに、例として挙げている「人生がうまくいかないとき」の思考の「四つのステップ」は参考になります。
あなたも本書を読んで、仕事と人生を革新する「四つの思考法」を学んでみませんか。
速読法・多読法が身につくレポート 『年間300冊読むビジネス力アップ読書法「17の秘訣」』 を無料で差し上げます。ご請求はこちらをクリックしてください!
https://jun-ohsugi.com/muryou-report
では、今日もハッピーな1日を