「部下の働く目的を大切にすると自らの意思で動くようになり、次第に一体感のあるチームに変わっていきます。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、北九州大学法学部卒業後、ジーンズメーカーEDWINで営業に従事、その後経営コンサルティングファームにおいて約300社の財務分析と管理会計の構築ノウハウを取得、マネジメント責任者、支社長などを歴任し、コンサルタント育成にも携わって、現在は株式会社トゥルーチームコンサルティング 代表取締役、一般社団法人自走式組織協会 代表理事の吉野創さんが書いた、こちらの書籍です。
吉野創『売上を2倍にする 指示なしで動くチームの作り方』(ぱる出版)
この本は、タイプ別の部下への接し方をわかりやすくまとめ、あなたが部下を大事にするだけではなく、あなたが部下から大事にされる考え方やテクニックも書いて、実践することによって「指示なしで動くチーム」になり、成績や評価が上がるポイントを説明している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.部下はそもそも動かない
2.「お金が目的」の部下の掌握術
3.「時間が大事」な部下への寄り添い方
4.「キャリア志向」の部下は向上心を満たせ
5.部下から大切にされる上司になれ
6.できない部下がいても、理想のチームはできる
この本の冒頭で著者は、「部下の『働く目的』は大きく分けて次の3タイプがあります。」と説明しています。
◆ お金が大事
◆ 自分の時間が大事
◆ キャリアが大事
部下はそれぞれ3タイプのいずれかの「働く目的」に沿った動き方をする、ということです。
本書の前半では、「部下はそもそも動かない」ことを解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 80%の社員は会社のことより自分のことを考えている
◆ 部下が自分で考えて動く状態にしていく
◆「働く目的」理解し、応援する存在になる
◆ 自発⇒楽しい⇒価値⇒感謝⇒報酬のステップを
◆ 部下の人生を応援しようという気持ちで本音を話す
この本の中盤では、「お金が目的の部下の掌握術」「時間が大事な部下への寄り添い方」および「キャリア志向の部下は向上心を満たせ」について、著者の見解を説明しています。主なポイントは次の通り。
◆ 強みと弱みをセットで伝え、承認する
◆ プロ意識を高めていくようなアプローチ
◆ 評価の仕組みを説明し、伴走者として「声掛け」
◆ ビジョンに沿ったチーム運営をPRする
◆ 時間を大切にする人材は、上司の共感と寄り添い方がポイント
◆ 職場と家庭は表裏一体という考え方も必要
◆ 時短や効率化の工夫をいつも考える
◆ 価値の劣化を起こさない生産性、効率性のアップを
◆ 自分の成長によって得られたスキル、知識・経験、人間関係を他者や組織のために活かすという視点
◆ 上司自身が志やビジョンを持つ
◆ 転職や退職のリスクヘッジをしていく
◆ 世の中の動きと仕事を結びつけて考える
本書の後半では、「部下から大切にされる上司になれ」および「できない部下がいても、理想のチームはできる」について、以下のポイントを解説しています。
◆ いつも部下を応援することを楽しむことが継続のコツ
◆ チームの理想像を繰り返し語る
◆ 上司が悩んでいることを発信する
◆ 部下の管理者ではなく、人格的な育成者になる
◆ 社長や経営陣の関心事は、3年後5年後のビジョンをどう実現するか
◆ 2割の優秀な部下に力を入れ、行動する姿を見て気づかせる戦略を
◆ 多様性のあるチームでは成長できる
◆「心理的安全性」の高いチームは、組織の生産性が高くなる
◆ 提供価値を高める秘訣は、チームで仕事を楽しむこと
さらに一体感の高め方として、次の3ステップを紹介しています。
1.5Aを意識して習慣化する(挨拶・ありがとう・アイコンタクト・アクション・愛和)
2.互いの理解を深める
3.大切にしたい仕事観を揃える
この本の締めくくりとして著者は、「マネジメントは、部下を育て、やる気を高め、ベクトルを揃え、生産性を高め、業績改善につなげ、育った社員が次の部下を育てていくという一連のプロセスが、指示されることなく自発的に行われる状態になって完結します。」と述べています。
そうした状態を、「自走式組織」と著者は呼んでいるのです。
あなたも本書を読んで、タイプ別の部下への接し方を学び、「指示なしで動くチームの作り方」を理解し、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2724日目】