毎月一冊、10万字を書く売れっ子ブックライターが取材のコツ、書く技術、時間管理からギャラの話まで、プロとして独立できるノウハウのすべてを公開した書があります。
本日紹介するのは、ブックライター上坂徹さんが書いた、こちらの書です。
上坂徹『職業、ブックライター。上坂徹』(講談社)
この本は、かつては「ゴーストライター」と呼ばれ、あまり良いイメージのなかった「ライター」という仕事に対して、正しい認識を持って世の中に知ってもらうために書かれた本です。
著者の上坂さんは、半年先までブックライターとしての仕事が途切れることなく埋まっている人気のブックライターで、毎月一冊のペースで出版を続けています。
このプロ中のプロと言える上坂さんが、ブックライターとしての基本や、職業としての醍醐味が本書には随所に披露されていて、出版をしたい著者(候補)の方や出版に関わる方々に大きな示唆を与えてくれます。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.ブックライターの仕事はこんなに楽しい[仕事のスタイル]
2.ブックライターの仕事のパートナー[出版社・編集者との関係作り]
3.素材が7割、書くのが3割[企画と取材]
4.「250枚を1本」ではなく「5枚を50本」[目次を作る]
5.毎月一冊すらすら書く技術[書き方と時間管理]
6.ブックライターとして生きていくには[仕事に向かう心構え]
本書は、書籍の出版がどのようなプロセスを経てなされるか、という実務の流れが、とても分かりやすく具体的に書かれています。
まずは出版社の編集会議に出されたA4サイズ1枚程度の企画書からスタートします。仮のタイトル、著者のプロフィール、企画の狙いと方向性、ざっくりとした目次、類書情報などが書かれています。
上坂さんはブックライターという立場で、主としてスケジュールが合えば引き受ける、ということです。ここで大事なことは、「編集者はどうしたいのか」ということだそうです。
そして次のステップが著者への取材。上坂さんは目次をもとにした「取材内容の整理」に力を入れていて、これを「取材コンテ」と呼んでいます。
目次とは別に、取材するために作る「準備シート」を用意して著者にも渡すそうです。こうした取材の準備が大切で、そこから合計10時間の取材(著者へのインタビュー)を行います。
取材は通常、2時間の取材を5回というパターンが多いそうですが、5時間を2回とか、1日ぶっ通しで10時間というケースも稀にある、ということです。
ブックライターの仕事は、執筆(すなわち書くこと)が中心と思われますが、実は「書く」以外の割合が高く、上坂さんの場合は「書く」が3割、それ以外の「取材」や「資料整理」などが7割ということです。
とくに「書く」までの事前準備である「取材」や素材整理が重要になります。とくに編集者との意見交換により、「相場」、「読者」、「テーマ」をブラッシュアップしていく過程が大切です。
「相場」、「読者」、「テーマ」は、密接に関連していて、テーマを深堀りしていく時に、他の本と差別化できる要素、すなわち「独自性」がポイントです。
著者の上坂さんによれば、「独自性」とは、一言でいえば、「その著者である必然性」だということです。
本書の後半には、上坂さんによる「本づくり」のスケジュールや仕事の配分などが具体的に書かれていて参考になります。ワードで執筆していくそうですが、フォーマットやフォントの設定まで具体的に説明してあります。
本書を読めば、書籍出版の全貌が理解できますし、「ブックライター」という仕事の素晴らしさにも心打たれるでしょう。
あなたも本書を読んで、「書籍出版」までの道のりを具体的に学んで、自らのビジネスに活かしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を