書評ブログ

『「死」が教えてくれた幸せの本質』

「がんにならない人はいない」「本来がんは治るようになっている。治る邪魔をするとがんは発育する」「がんが治らなければ人は死ぬ。しかしがんが治ってもいずれ死ぬ。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1959年岐阜県生まれ、愛知医科大学医学部卒業後、岐阜大学第一外科に入局、数々の病院で消化器腫瘍外科を専門に勤務、1994年に根本的な治療を目指して岐阜県養老町に船戸クリニックを開業西洋医学を中心に東洋医学や補完代替医療も取り入れ、全人的な治療、診察を行い、在宅医療にも注力している船戸崇史さんが書いた、こちらの書籍です。

 

船戸崇史『「死」が教えてくれた幸せの本質 二千人を看取った医師から不安や後悔を抱えている人へのメッセージ』(ユサブル)

 

 

この本は、医師として2000人を超える命を看取ってきた著者が、在宅医療を通しての体験や考察エピソードの形で綴った書です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.生き切る

2.許す心

3.生き切る人を送る

4.生き切るために覚悟する

5.ただ在るだけで

 

 

この本の冒頭で著者は、「空気もエネルギーも愛も幸せもおおよそ人にとって大切なものは眼に見えません。しかし存在します。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「生き切る」をテーマとしたエピソードを紹介しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 驚異的な意志の力で人生の集約

◆ 終末期の多くの患者が「旅行がしたい」と言う

◆ 大事なのは生きている今

◆ 時には本来核や未来はない、あるのは永遠の今だけ

 

◆ 不安や恐怖を払拭する方法は、「大丈夫だ」という自信を持つこと

◆ 家族のために患者が無理をするのは本末転倒

◆ 自分自身の死を見据え、覚悟を決め、微笑んでくれた

◆ 今朝もまた 覚めて 目が見え 手が動く ああ 極楽よ この身 このまま

 

 

この本の中盤では、「許す心」および生き切る人を送る」をテーマとしたエピソードについて、次のポイントを説明しています。

 

◆ 3つの行(ゴメンネの行、アリガトウの行、愛してるよの行)

◆ 5つの言葉(ごめんね、ありがとう、また逢おう、愛してるよ、さようなら)

◆ 人生には生き甲斐が必要

◆ 後悔を残さないため、やり残した仕事をしっかり終えてゆく

◆ 病気にも役割がある

 

◆ がんばれ より ありがとう

◆ マラソンはゴールがなければ地獄

◆ 胎内の記憶がある

◆ 心の中で「見切り」をつける

 

 

本書の後半では、「生き切るために覚悟する」およびただ在るだけで」をテーマとして、著者が看取ったエピソードを紹介・解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ セデーション(鎮静)という方法

◆ 4種類の痛み(肉体的・精神的・社会的・スピリチュアルペイン)

◆ 尊厳死宣言書(延命措置を拒否、苦痛を和らげる措置、生命維持装置を取りやめ)

◆ 生きていることに感謝できるように

 

 

この本の締めくくりとして著者は、以下の8つの「命のメッセージ」を紹介しています。

 

1.生きざまは死にざま

2.自分の命は自分だけのものではない

3.自分しか担えない使命がある

4.にもかかわらず、覚悟を持つ

 

5.人生最後の言葉がある

6.人はただ在るだけでも意味がある存在である

7.病気にも意味がある

8.死は恩寵でもある

 

 

あなたも本書を読んで、多くの「死」が教えてくれる「幸せの本質」について考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2782日目】