「自分の価値を奪うようなものたちに占領されている心の様子は、ガラクタの溢れる散らかった部屋と同じです。」と指摘する本があります。
「空間を整理する前に思考の整理を行う」という考え方、すなわち「ライフオーガナイズ」という考え方です。本日紹介するのは、心理カウンセラーでメンタルオーガナイザーの渡辺奈都子さんの書いた、こちらの本です。
渡辺奈都子『しなやかに生きる心の片づけ』(大和書房)
この本は、心にたまった「余計なもの」を手放せば、「大切なもの」が気持ちよく残せる、ということを説く「自分が変わる心の整理術」を説明した書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.心の中のやっかいな荷物たち
2.生きにくい「モデルルーム」にならない心の作り方
3.心を整える片づけの仕組み
4.過去への執着を手放す
5.他者への執着を手放す
6.希望を見つけるために
7.「ご機嫌力」を高める心の片づけ習慣
8.回復力のある「しなやかな生き方」
心の中の整理・片づけも、部屋の片づけと同じだ、と著者は言います。心に溜めこまれているものについて、ちゃんと仕分けたり、優先順位を決めたり、上手に付き合う方法がわかったら、もっと生きやすくなるのではないでしょうか。
「部屋の中にある様々なものを片づけるように、心の中の片づけを考えてみましょう」というのが、本書のテーマです。
私が感銘を受けたのは、「心を片づけやすくする2つのポイント」についてです。それは以下の2点です。
1.自分の良いところを理解している
2.自分の弱いところを理解している
自分の心の中を覗いて現状を把握する力のことを「内省力」と言うそうです。内省とは、単なる反省とは違って、現状と丁度いい自分とのギャップを認識して、自分を適切に振り返ることです。
自分の良いところについては、自分が「得意」とし、喜んで「やりたい」ことで、誰かの「役に立つもの」は、最強の「幸せアイテム」になるので、そうした点をリストアップして把握しましょう。
「強み」や「資質」というものは、あまり意識をしなくても、あなたから溢れ出てしまうものだ、ということです。
一方、自分の弱いところについては、弱点の修正を目標にしてしまうと、自分をすり減らしてしまうことにもなりかねません。
自分の弱いところは素直に受け入れることです。そうすれば対処方法も考えやすくなります。課題や苦手な側面をきちんと受容できていれば必要以上に心を散らかさず、無駄なものを仕入れずにすむ、ということです。
もう一つ、この本から学んで有益だったのは、「片づけの4ステップ」です。部屋の片づけでも使われる以下の4ステップを、心の片づけにも応用します。
1.全部出す
2.分ける
3.収める
4.維持する
まず最初の「全部出す」で、心の中にある、自分のしたいこと、本当は大切にしたいこと、ずっと願っていたこと、心の中にモヤモヤと居座っているものなどを、紙に書いて「見える化」しましょう。
その上で、次の「分ける」というステップで、「したい/したくない」と「している/していない」のマトリックスで仕分けることを本書では提唱しています。
そして、もうひとつ重要なのが、「自分で変えられるもの」と「自分で変えられないもの」との分類です。これは私も、これまでの人生で重きを置いて判断の指針にしてきました。
「過去」に執着したり、「未来」を必要以上に心配したりすることなく、「目の前のことに集中する」、「現在を大切にする」という意識が幸福度を上げる、ということです。
「過去と他人は変えられない、変えられるのは未来と自分だけ」ということです。これは私の座右の銘のひとつでもあります。自分でコントロールできる、自分の努力や工夫で何とかなる、現在と自分にフォーカスする、という生き方です。
本書の巻末には「参考文献」が掲載されていますが、最後の3冊は、私も読んで感銘を受け、今も生きる指針として活用している書です。以下に紹介しておきます。
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では、今日もハッピーな1日を!