「市場価値は、働く人の値段ともあらわせると思います。その値段は給与や年収などといった数字で示されます。しかし、その数字は絶対的なものではなく、いくつもの要素が重なり合い、掛け合わさった相対的な結果です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1987年兵庫県生まれ、神戸大学経営学部卒、新卒で博報堂へ入社し、経営企画局、経理財務局を経て、ボストンコンサルティンググループに転職し、2016年ワンキャリアに参画、現在は取締役として、全社戦略、事業開発、広報PR領域を担当する北野唯我さんが書いた、こちらの書籍です。
北野唯我『これから市場価値が上がる人』(ポプラ新書)
この本は、市場価値や働くことの本質を一緒に考えていくために、個人の日々の仕事や普段の生活にフォーカスして、市場価値を高めるために、「仕事ができる人」「強みを伸ばせる人」になるには、どうやって日々の仕事と向き合えばいいのかということを語っている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.なぜあなたは市場で評価されないのか
2.「悩み」を「強み」に変える思考法
3.市場価値を最大化できる人は「これ」をやっている
4.チームの価値を上げるためにあなたができること
5.「価値あるもの」の前提を見直そう
この本の冒頭で著者は、「市場価値の測り方」として、自分の給与の期待値を、次の3つの要素の掛け算で考えるという手法を紹介しています。
◆ 1人当たりの業界の生産性(その業界の人が生み出す付加価値、業界の伸び)
◆ 人的資産(会社や組織が変わっても仲間や顧客がいるか)
◆ 技術資産(専門性や経験)
本書の前半では、「なぜあなたは市場で評価されないのか」について、以下のポイントを説明しています。
◆ すべての経済活動は「価値」の交換
◆ 優秀なビジネスパーソンは「工夫」できる人
◆ 情報のコピーではなく、技術のコピーを
◆ 習慣は第二の天性なり
◆ 固定費を上げないこと
この本の中盤では、「悩みを強みに変える思考法」および「市場価値を最大化できる人はこれをやっている」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆「成功」は約束できないが、「成長」は約束できる
◆ 意識すべき3つの思考法:➀論理的思考、②そもそも論、③アナロジーシンキング
◆「理論」を得る定番は「読書」
◆ 孤独と向き合う「長考の歴史」
◆「社会全体の富を増やす」アウトプットを
◆ 近すぎない距離感のライバルを参考に
◆ 商売の始め方は、①お客様から喜ばれること、②周囲の多くから反対されること
◆ 歴史を学ぶと壁が分かる、未来を学ぶと次のゴールがわかる
◆「課題型」は「なるはや」でミーティング
◆「ビジョン型」は「定例」でミーティング
◆ OKRは「大きな目標を支える力」
◆ 期初は目標、期末は期待値
◆ 悩むのではなく考える
◆ まずは圧倒的にギブする
◆ リーダーが口ではなく手を動かす
◆「教えるつもりメソッド」を
◆ マルチタスクのコツは「マスト1」を決める
◆ 金曜の夕方に、来週の仕事をイメージする時間を確保する
◆「ニーズから話す技術」でリーダーシップが高まる
◆「信頼される」とは「一貫している」こと
本書の後半では、「チームの価値を上げるためにあなたができること」および「価値あるものの前提を見直そう」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 大きな組織や集団を動かすには「実例」が必要
◆ 組織には「抜擢」が必要
◆ 価値観を知ることで、チームのパフォーマンスが上がる
◆ 人間関係を築く極意は「周りの人を出世させること」
◆ 思考のチューニングをする
◆「言行一致」の本質とは、約束
◆「両忘」という視点を持つことで、「二者択一」で考えない
◆ 感情の奴隷にならないためには、「それをやる意味」を考える
この本の締めくくりとして著者は、「猫」と「公園」は、資本主義における「ぎりぎりの自由」の象徴なのかも知れない、と述べています。
つまり、「猫」「公園」は、「資本主義社会に乗り過ぎず、人々の心を確実に豊かにするもの」を指しているのです。まさに「資本主義に併設する感覚」です。
あなたも本書を読んで、「これから市場価値が上がる人」を目指していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3079日目】