世界同時株安、円高、原油急落、マイナス金利など、世界経済や日本経済を揺るがす大きな変動が起き始めています。
本日紹介したいのは、日本経済新聞編集委員で、金融関連記事が高く評価されている滝田洋一さんが書いた、こちらの新書です。
滝田洋一『世界経済大乱』(日経プレミアシリーズ)
この本は、2016年という年が、相場の格言「騒乱の申年」になるのかどうか、リーマンショックの再来はあるのか、という問題意識の下で、同時多発危機の現場から緊急報告を行う書です。
2016年1月7日木曜日に、中国発の株価急落の波が世界を襲いました。株安のさなかに中国人民銀行(中央銀行)が人民元の切り下げを発表した2015年の「人民元ショック」に続き、今度は「サーキットブレーカー(取引停止)・ショック」が世界を震撼させました。
今や世界第2位のGDPとなった中国が世界経済に大きな影響を与えていて、とくにリーマンショック後に、資源の爆買いによって世界の経済成長を牽引していた中国が、現在はその後遺症である「過剰設備」、「過剰債務」に苦しんでいます。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.中国が世界を振り回す
2.黒田日銀が飛び込んだ「不思議の国」
3.カネ余りなのにカネがない
4.内も外も溶け始めた
5.日本に活路はあるか
本書の冒頭で著者は、中国経済の減速が世界経済の大きなリスクになっていると説き、とくに中国からの資本流出を問題視しています。
さらに中国の外貨準備が急激に減少していて、ドル、ユーロ、円以外の不明なものが外貨準備が半分近くあることが問題だとしています。
とくに市場関係者が気をもむのは、ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)などに、使途不明の外貨準備マネーが流れていると見られることです。
ここ10年ばかり、中国はアフリカや中東で資源開発投資のアクセルを踏んできました。外貨準備がこうした開発投資に振り向けられているとしたら、大きな問題が表面化する可能性があります。
ただでさえ開発・採掘コストの高いこれらの案件は、最近の国際商品相場の崩落で火を噴いているはずだからです。
また本書では、リーマンショック後の大きな転換期である現在を、1997~1998年の時のアジア通貨危機とよく似た状況だとして警鐘を鳴らしています。
詳しい根拠につきましてはぜひ、本書をお読みください。
本書ではさらに、黒田日銀総裁が踏み込んだ「マイナス金利」や、異次元の金融緩和、さらに世界経済の動向や日米関係など、多面的な分析が参考になります。
あなたも本書を読んで、世界経済のリスクや今後の動向について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を