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『ルポ 国際ロマンス詐欺』

「会ったこともない、まともに声を聞いたこともない相手に、なぜいとも簡単に騙されてしまうのか。」「被害者たちの声を拾ってみると、晩婚化や生涯未婚率の増加、独身中高年の寂しさなど、現代日本社会の問題が透けて見えてくる。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、1975年三重県生まれ、上智大学外国語学部卒業後、カメラマン、フィリピンでの新聞記者などを経てフリーになって、10年超のフィリピン滞在歴をもとに「アジアと日本人」について、また事件を含めた現代の世相もレポートしているノンフィクションライター水谷竹秀さんが書いた、こちらの書籍です。

 

水谷竹秀『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書)

 

この本は、国際ロマンス詐欺の被害者と加害者の双方に迫った本邦初のルポルタージュです。

 

本書は以下の5部構成から成っています。

1.会ってもいないのに騙された

2.砕け散った中高年のロマンス

3.暗号資産に目が眩み・・・・。

4.詐欺犯はナイジェリアに

5.ヤフーボーイたちの素顔

 

この本の冒頭で著者は、「取材を重ねていくと、犯人たちは、日本から直行便で約20時間離れた、ナイジェリアやガーナなどの西アフリカを中心に暗躍している実態が分かった。」と述べています。

 

本書の前半では、「会ってもいないのに騙されたついて以下のポイントを説明しています。

◆ LINEに移行して優しい言葉で疑似恋愛

◆ 国際便で荷物を輸送するとお金の振り込みを巧みに要求

◆ インフルエンサーの写真を詐欺犯は利用

◆ 借金して iTuneカードを送る

◆ LINE通話の空いては、アフリカ訛りの英語

 

この本の中盤では、「砕け散った中高年のロマンスおよび「暗号資産に目が眩み・・・・。」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 非婚化が進む日本で、独身者がSNSやマッチングアプリで詐欺被害に

◆「年齢なんて気にしない」と言われて安心感を持って油断

◆ 暗号資産への投資を勧められて大金を騙し取られる

◆ 手数料や所得税などを追加要求して決して出金や返金をしない詐欺師

◆ 病気の家族(親、子どもなど)を気遣う優しい言葉を連発して落とす手口

 

◆ 暗号資産の「模擬取引」で信用させる周到さ

◆ 消費者金融や親族、友人から借金してまで大金をつぎ込んでしまう悲劇

◆「騙された」と思いたくない心理で深みに

◆ 暗号資産への「欲望」が命取りに

◆ 詐欺がばれると「南京大虐殺」の話で詐欺を正当化

 

本書の後半では、「詐欺犯はナイジェリアにおよび「ヤフーボーイたちの素顔」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 詐欺犯はナイジェリアやガーナなど西アフリカに

◆ 口座貸しの「闇バイト」

◆ ナイジェリアの「ヤフーボーイ」はゲームかアルバイト感覚の学生

◆ 詐欺で大富豪になった「ハッシュパピー」はあこがれ

◆ ナイジェリアの警察は金を渡せば釈放

 

◆ 欧米への詐欺は、植民地時代の奴隷労働への報復で罪悪感なし

◆ ポルノ女優やインフルエンサーの写真を収集して簡単に加工・活用

◆ 口説き文句の例文を翻訳アプリでコピペする詐欺「Dating」

◆ 通話になると、アルバイト感覚のヤフーガールが代理で対応

◆ 詐欺犯の養成スクール「HK(Hustling Kingdom)

 

この本の締めくくりとして著者は、「被害者たちは、借金返済と人間不信という二次被害を背負いながら、そして時にはやり場のない怒りを抱えながら、切ない日常を少しでも前向きに生きている。」と述べています。

 

あなたも本書を読んで、国際ロマンス詐欺の実態や手口を知り、騙されないための防御をしっかりと整えていきませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3514日目】