書評ブログ

『老後ひとり暮らしの壁 身近に頼る人がいない人のための解決策』

「老後のひとり暮らしには、若い頃や家族と暮らしているときとは違った『壁』があるのは事実です。」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、愛知県を中心に遺品整理、生前整理などの事業を行う中で、ひとり暮らしシニアのさまざまな問題に直面し、不安やトラブルなく生きていくためのサポート事業を新たに立ち上げた株式会社GoodService代表山村秀桐さんが書いた、こちらの書籍です。

 

山村秀桐『老後ひとり暮らしの壁 身近に頼る人がいない人のための解決策』(アスコム)

 

この本は、この本は、終活の本ではなく、これからのひとり暮らしをもっと安心して楽しむための本です。

 

本書は以下の7部構成から成っています。

1.自分らしく生きる「おひとりさま」

2.壁を越える人と、見て見ぬ振りをする人の違い

3.お金の壁

4.健康の壁

5.心の壁

6.介護の壁

7.死後の壁

 

この本の冒頭で著者は、「何の不安もなく後悔もなくスッキリとされている方には、ある共通したコツがありました。」と述べて、次の2つを挙げています。

◆ 自分でできないことが増えても、自分で決める

◆ 孤独は適度に楽しみながら、孤立はしない

 

本書の前半では、「自分らしく生きるおひとりさまおよび「壁を越える人と、見て見ぬ振りをする人の違い」ついて、以下のポイントを説明しています。

◆ 楽しく生きるために壁を越える

◆ 高齢者のひとり暮らしは、住み替えや施設への入居を考えるときがくる

◆ 本当に問題の「孤独死」は死後、長く発見されずに尊厳がおかされること

◆ 老後ひとり暮らしの壁を越える「衰えのマネジメント」が大切

 

◆ 自分でできないことが増えても、自分で決める

◆ 孤独は適度に楽しみながら、孤立はしない

◆「自己決定」が幸福度に大きな影響を与える

◆「自己決定」に大切なのは、①選択肢を持つこと、②タイミングを逸しないこと

 

◆ 玄関や靴が整理されていない人は壁を越えられない

◆ 貴重品があちこちに散らかっている人は壁を越えられない

◆ 自己管理できる人ほど、モノが減っていく

◆ テレビ周りと寝床がチェックポイントに

 

この本の中盤では、「お金の壁」「健康の壁」および「心の壁」について解説しています。主なポイントは次の通りです。

◆ 認知症有病率は70代後半10.4%、80代前半22.4%、80代後半44.3%、90代64.2%

◆ 財産管理委任契約から任意後見契約に移行すると安心

◆ 悪徳業者に注意する

◆ ひとり暮らしの生活費は割高

 

◆ おひとりさまの多くは高齢者(男性23.9%、女性48.2%)

◆ 入院時に必要な緊急時の「身元引受人」と「連帯保証人」

◆ ほとんどの医療費は高額療養費制度でまかなえる

◆ 生命保険信託を利用すれば、法定相続人以外にお金を遺せる

 

◆ 孤立したひとり暮らしは死亡リスクが1.9倍

◆ 身体の痛みも孤独・孤立が原因

◆ コミュニティを探す条件は「居心地がいい」こと

◆ 瞑想、散歩などで「幸せホルモン」を

◆ 自分を客観視すること

 

本書の後半では、「介護の壁」および「死後の壁」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

◆ 85歳以上の6割が「要介護」になる

◆ 介護が必要となる前にキーパーソンを見つけておく

◆ 介護に必要な費用は、平均580万円(74万円+8.3万円×61.1カ月)

◆ 特別養護老人オームは月10万円、有料老人ホームは月15~30万円

 

◆ サ高住宅は月15万円程度

◆ 介護保険を利用する手続きを確認しておく

◆ 生きているうちに自分で決めるかどうかで人生の納得感や幸福度は大きく変わる

◆ 生活に干渉しない「見守りサービス」

 

◆ エンディングノートを作っておく

◆ 死後事務委任契約で弁護士など専門家に頼む

◆ 相続放棄や限定承認は、死後3カ月以内に行わねばならない

◆ 任意後見人契約や死後事務委任契約の相手方に遺言書を託す

 

この本の締めくくりとして著者は、本書では「老後ひとり暮らしの壁」を乗り越えるコツ「自己決定すること」「孤立しないこと」だと述べましたが、もっともかんたんに取り入れられる対策のひとつは「見守りサービス」です、と述べています。

 

そうしてできた低価格のサービス「もし活」アプリで、これはビジネスというより、啓発活動に近いそうです。

 

あなたも本書を読んで、「老後ひとり暮らしの壁」を超える知恵を身につけ、実践してみませんか。

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3342日目】