「生産性向上への最短距離は、ファシリテーション。認められる人になる最短距離は、ファシリテーション。」「今最も注目を集めているテーマの1つが、会議を効率よく、且つ効果的に進めるための技法であるファシリテーションです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、プロフェッショナル・ファシリテーター、ファシリテーション内製化コンサルタント、作家の楠本和矢さんが書いた、こちらの書籍です。
楠本和矢『会議の生産性を高める 実践パワーファシリテーション』(すばる舎)
この本は主に、業務の中核を担うミドルマネージャー(部課長職)や、次世代をにらむ20、30代若手ビジネスパーソン、組織全体の生産性向上に取り組んでいる人事部や経営層の方に向けて、以下のファシリテーションの活用範囲を整理して書かれた書です。
◆ 組織/プロジェクトにおける会議
◆ 顧客との商談
◆ 日常のコミュニケーション
本書は以下の6部構成から成っています。
1.ファシリテーションの基本的な概念
2.ファシリテーション技法①:議論の構成をデザインできる
3.ファシリテーション技法②:アンテナを立て、問いを立てられる
4.ファシリテーション技法③:出てきた意見を整理できる
5.ファシリテーション技法④:グラフィックを効果的に使える
6.ファシリテーション技法⑤:議論のスタックから抜け出せる
この本の冒頭で著者は、本書で紹介する内容の特徴として、著者自身の次の3つのポリシーを挙げています。
◆「実践知」をベースとすること
◆「再現性」を特に重視していること
◆「ホンネ」を大事にしていること
本書の前半では、「ファシリテーションの基本的な概念」について、以下のポイントを説明しています。
◆ ファシリテーションとは「参加者に切り口を展開して意見やアイデアを引き出した後、次に進めるための要素の整理を行い、基準を提示して合意形成を図る技法」
◆ ポイント1:切り口の展開
◆ ポイント2:要素の整理
◆ ポイント3:基準を提示
◆ ファシリテーションが必要な理由1:コミュニケーションは生産性に直結する
◆ ファシリテーションが必要な理由2:異質な和の活用と統合
◆ ファシリテーションが必要な理由3:ゼロから1を見つけ出す
◆ 引き出す力こそ、今後のリーダーシップ
◆ ファシリテーション技法①:議論の構成をデザインできる
◆ ファシリテーション技法②:アンテナを立て、問いを立てられる
◆ ファシリテーション技法③:出てきた意見を整理できる
◆ ファシリテーション技法④:グラフィックを効果的に使える
◆ ファシリテーション技法⑤:議論のスタックから抜け出せる
この本の中盤では、「ファシリテーション技法①:議論の構成をデザインできる」および「ファシリテーション技法②:アンテナを立て、問いを立てられる」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 議論の設計モジュール「5つのS」: ➀Share(共有)、②Set(定義)、③Spread(発散)、④Solve(解明)、⑤Select(選択)
◆ 各モジュールで、具体的に何をする/出すのか?
◆ 各モジュールで、出てきた要素をどう繋げるか?
◆ 各モジュールで、どの程度時間がかかりそうか?
本書の後半では、「ファシリテーション技法③:出てきた意見を整理できる」「ファシリテーション技法④:グラフィックを効果的に使える」および「ファシリテーション技法⑤:議論のスタックから抜け出せる」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 4本のアンテナを立てる(➀ズレてない?、②理解できる?、③どう拡げる?、④どこを深堀る?)
◆ ヨコズレ、タテズレ、順序ズレ、ルールズレ
◆ 意味不明のパターンは、①長過ぎる、②短過ぎる、③曖昧、④答えになっていない
◆ 暴論とは、①多数・権威依存、②他可能性排除、③法則の無理転用、④勝手な前提、⑤前例主義、⑥選択肢の限定
◆ 切り口ノタイミング:➀最初に提示、②議論の中から見つけ出す、③メンバーに聞いてみる
◆ 切り口を5W1Hで考える
◆ ロジックツリーを活用
◆ 深堀りのパターン:➀具体化させる、②要因を探る、③影響を考える、④手段を出す、⑤根拠を確認する
◆「問い」に応えてくれたら、ポジティブに反応
◆ 意見は必ず拾う
◆ 沈黙を恐れず、7秒は待つ
◆ 何か言いたそうな人は必ず指す
◆「いい質問ですね。いい切り口ですね。」
◆「発散」の議論を整理する
◆「解明」の議論を整理する
◆「選択」の議論を整理する
◆「定義」の議論を整理する
◆「共有」の議論を整理する
◆ グラフィック化の目的:➀段取りを意識、②「問い」を示す、③アイデアを促進、④意見を整理、⑤意見と発言者を切り離す
◆ グラフィック化の基本技法:➀見出しを書く、②関連性を示す、③強調する、④補足する
◆ 議論のスタックとは、①発言が出てこない、②議論が堂々巡り、③意見が対立
◆ 意見の対立は、①目的のズレ、②基準のズレ、③情報量のズレ、④定義のズレ
◆ 合意ができない場合の突破方法:➀別軸評価、②ネガ消し、③第三の案、④部分譲歩
この本の締めくくりとして著者は、ファシリテーションとは、「熟達していく楽しみがある奥深いスキル」「様々な仕事をもたらしてくれる媒介物」「人や組織を変えていく力」「人の知恵と企業経営を繋げるブリッジ」と述べています。
あなたも本書を読んで、ファシリテーションの基本や実践を学び、ファシリテーターとして生産性を高めていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2905日目】