老後2000万円不足時代と言われる今日、「家庭でできる金融教育とは何か?」について、ともに経済アナリストである親子が論じることによって、「リアルなお金の知恵」を伝授してくれる本があります。
本日紹介するのは、東京大学経済学部卒業、日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんと、明治大学経済学部卒業、証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事、インドネシアや台湾などアジアで新規事業立ち上げなどをしたのち、子供向け金融教育を主業とする株式会社マネネを設立し、代表取締役社長に就任、現在は複数のベンチャー企業のCFOや監査役を兼任する経済アナリスト、株式会社マネネCEOの森永康平さんが書いた、こちらの書籍です。
森永卓郎・森永康平『親子ゼニ問答』(角川新書)
この本は、親子ともに経済アナリストである著者ふたりが、「我が家の金融教育」を語り、お金との正しい付き合い方を知らない日本人に対して、警鐘を鳴らしている書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.プロローグ 我が家の金融教育のはじまり
2.おやじ、「年収300万円時代」は見通しが甘かったよな!
3.3世帯に1世帯が貯蓄ゼロ~「まず貯めろ!」は間違ってなかった~
4.これからはお金に働いてもらう時代~だけど、博打はNG~
5.この世にうまい話はないぞ~日本人は臆病なくせて、欲深い~
6.算数すら使わず理解できる経済学
7.家でお金の話を隠さない
8.我が家の金融教育(卓郎編・息子2人)
9.我が家の金融教育(康平編・娘2人と息子1人)
10.親子ゼニ問答(親子対談)
この本の冒頭で著者ふたりは、それぞれの「我が家の金融教育のはじまり」について紹介しています。
本書の前半では、「おやじ、年収300万円時代は見通しが甘かったよな!」および「3世帯に1世帯が貯蓄ゼロ」をテーマに、現状を分析しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 年収300万円がリッチに見えるとんでもない時代
◆ 2017年の非正規雇用の給与は175万円
◆ 世界全体も日本と同様に50年間で高齢化が加速していく
◆ 老後の最低生活費22万円、ゆとりある生活費35万円
◆ 生活保護受給世帯は高齢者の割合が急増
◆ 高齢者単身世帯の貧困率がとくに高い
◆ 日本のシングルマザーの生きづらさは世界トップクラス
◆ 老後は都会と田舎の中間、トカイナカに住むのが一番よい
◆ 3世帯に1世帯は貯蓄ゼロ
この本の中盤では、「これからはお金に働いてもらう時代」「この世にうまい話はないぞ」および「算数すら使わず理解できる経済学」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆「複利の効果」を活用して、お金に働いてもらう
◆ 1つのカゴに全ての卵を盛るな
◆ 投資信託やETFで国際分散投資を「長期」に「継続」する
◆ 株主優待の楽しみで、食べ物系・乗り物系・買い物系の株に投資
◆ 投資のリターンはお金だけではない
◆「正常化バイアス」と「楽観バイアス」で詐欺に引っかかる
◆ 合法的な詐欺に注意
◆ 世の中に「絶対」や「必ず」のうまい話はない
◆ 何かを選択するとは、何かを諦めること
◆ 需要によって値段は動く
◆ 苦手なものはやめて、得意なものに集中する
◆ 中央銀行の機能は「物価の安定」と「雇用の最大化」
本書の後半では、「家でお金の話を隠さない」「我が家の金融教育(卓郎編・息子2人)」および「我が家の金融教育(康平編・娘2人と息子1人)」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 家でお金の話をすることはメリットが大きい
◆ お金にだらしない人と付き合うと、人生をダメにする
◆ 絶対に連帯保証人になるな
◆ お金は墓場に持っていけない
◆ お金は使った人のところに舞い戻ってくる
◆ お金は寂しがり屋
◆ 評価はお金ではなく金額
◆ 異国で少し暮らすのもよい機会
◆ お金は「持っている」だけで価値がある
◆ 世の中のトラブルの9割はカネで解決できる
◆ ローリスク・ハイリターンはあり得ない
◆ 日本が大地震に襲われても、揺れない地域の資産を保有しておく必要がある
◆ ポートフォリオ効果を学ぶ
◆ 金融教育は経済学と会計学をベースにすべき
◆ 子どもが興味を持つ環境を作ってあげる
◆ 最高の教材は「親が楽しむ姿」
この本の巻末には、「親子ゼニ問答(親子対談)」が掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、経済アナリスト親子が説く、老後2000万円不足時代における「生きるためのリアルなお金の知恵」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2879日目】