「親の介護が『辛く苦しい』ものだと感じられ、現実に多くの方が悩んでいるのはまさに、『介護=親のそばにいる=親孝行』という、教護なイメージがあるからなのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1980年生まれ、上智大学文学部社会福祉学科卒業、老人ホーム紹介業、外資系コンサルティング会社、在宅・施設介護職員を経て、2008年に市民団体「となりのかいご」設立、2014年にNPO法人化して代表理事に就任した川内潤さんと、1964年生まれ、学習院大学文学部哲学科(美術史)卒業、日経BP社入社、経済誌「日経ビジネス」、日本経済新聞証券部、パソコン誌「日経クリック」「日経パソコン」などを経て、現在は日経ビジネス編集部で主に「日経ビジネス電子版」と書籍の編集に携わっている山中浩之さんが書いた、こちらの書籍です。
川内潤・山中浩之『親不孝介護 距離を取るからうまくいく』(日経BP社)
この本は、「いずれは親の介護と向き合うことになりそうだけれど、細かい話はともかく、どう考えてやっていけばいいんだろう」という方、そして「介護を始めたら、自分が親に冷たくしてしまうことに驚き、悩んでいる」方、その両方に向けた内容を、著者(山中、編集Y)の実体験を通して伝えてくれる本です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.考えるのは、今日じゃなくってもいいんじゃない?
2.平気でウソをつくなんて。母さん、そんな人だっけ?
3.母さん。「介護保険証」はどこですかー?!
4.突然の大ピンチ。母が日本語を話せなくなった?!
5.親の妄想、そしてコロナ禍。理想の施設は見つかるか?
6.母、施設へ。5年間を振り返って「親不孝介護」の結論は?
7.「親の介護」は自分の生き方を考えるチャンスかも?
8.なぜ「デキる社員」ほど介護離職に突き進むのか?
9.すでに親と同居していたらどうすればいい?
この本の冒頭で著者は、「この本は、まず私の母親の介護の体験記という具体例をお見せして、その体験を川内さんと振り返り、どんなロジックが状況を変えていったのかを説明することで、どなたでも役立つように汎用化し、最後に各省にまとめ、という構成になっています。」と述べています。
本書の前半では、「考えるのは、今日じゃなくってもいいんじゃない?」「平気でウソをつくなんて。母さん、そんな人だっけ?」および「母さん。介護保険証はどこですかー?!」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ まず、地域包括支援センターに相談する
◆ 家族の目はどうしても甘くなり、初動が遅れる
◆「介護は治療ではなく、撤退戦」という意識を持つ
◆「堂々と公的支援を受ける」とハラを据える
◆ 近くにいることは「親孝行」の必要条件でじゃない
◆ 申請の代行を活用して仕事を休まずに介護保険を
◆「認定調査」のときはできるだけ立ち会う
◆ 自分は親の介護の「経営者」、ケアマネやヘルパーさんは執行役員
この本の中盤では、「突然の大ピンチ。母が日本語を話せなくなった?!」「親の妄想、そしてコロナ禍。理想の施設は見つかるか?」および「母、施設へ。5年間を振り返って親不孝介護の結論は?」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 予想外の連続が介護、完全・完璧を求めない
◆ トラブルは起きるときは起きる
◆ 親が入る施設を探すために最も重要なのは「時間」
◆ 親への罪悪感から高い施設を選ばない
◆「つらければ会いに行かない」ほうが実は親にも優しい
本書の後半では、「親の介護は自分の生き方を考えるチャンスかも?」「なぜデキる社員ほど介護離職に突き進むのか?」および「すでに親と同居していたらどうすればいい?」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 自分を支配している価値観はどこから来ているのかを探る
◆ 介護に大事なのは「距離を取ること」
◆ 親に「困ってもらう」ことを恐れてはならない
◆ 親と自分は別の「個人」だと認識しておく
この本の締めくくりとして著者は、「死を目前にしている方の気持ちを支えているのは、そのご家族の何気ない日常です。家族介護のために生活が犠牲にならず、無理なく関わりを続けることが、家族にしかできない『親不孝介護』です。」と述べています。
あなたも本書を読んで、親との距離を取るからうまくいく「親不孝介護」の大切さを学び、実践していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3501日目】