書評ブログ

『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート』

おじさんによるおじさんのためのセミナーおじさんLCC(ライフキャリアコミュニティ)を運営し、50~60代の男性定年前の準備をしたり、定年後にセカンドキャリアをスタートする応援をしている本があります。

 

 

本日紹介するのは、2004年早稲田大学政治経済学部卒業後、三菱倉庫JACリクルートメント帝京短期大学(キャリアサポートセンター)等を経て2018年に転職エージェントとして独立おじさんLCC(ライフキャリアコミュニティ)運営などを行っているプロティアン株式会社代表取締役キャリアコンサルタント金澤美冬さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

金澤美冬『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート ~ 今こそプロティアン・ライフキャリア実践! ~』(総合法令出版)

 

 

この本は、おじさんたちが、定年後もイキイキと自律的にキャリアを築くために、おじさんを労い、励まし、応援したいという思いが込められた書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.見えない10年。しなやかに対応できる「自分軸」作りを

2.定年前後に効くプロティアン

3.定年後、組織外キャリアを築くための行動

4.パラレルキャリアの実践

5.7名の事例 ~現在進行形インタビュー

6.定年後の働き方のパターンとは?

7.ライフキャリア ~家族と傾聴~

 

 

この本の冒頭で著者は、この先10年もさらに速いスピードで世界は進化し、想像できないことが起こり得る中で、「組織以外からも情報や刺激を受ける場所を確保しておかないと、定年退職後、何も情報が入ってこなくなってしまう」と述べています。

 

 

続いて、「守るべきものは何なのか」を考え、「定年後の仕事では我慢するものは選ばない方がいい」と提唱しています。

 

 

本書の前半では、「定年前後に効くプロティアン」および「定年後、組織外キャリアを築くための行動」について解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆「プロティアン」とは、環境の変化に応じ、自分軸を持って自分自身を変化させていくという柔軟でしなやかなキャリア形成のこと

◆ 組織が主体の「キャリア開発」から、個人が主体の「キャリア開拓」へ

◆ 組織内での昇進よりも、個人の「心理的成功」が重要

◆心理的成功には、「アイデンティティ」と「アダプタビリティ」が必要

 

◆ アイデンティティは、己を知ること(何が好きで何が苦手か)

◆ アダプタビリティは、社会を知り、適応させる力(変化する環境に対して反応学習、探索と統合力、適用させようとする意欲)

◆「プロティアン」とは、アイデンティティ(主体性)を持った上でしなやかに自分自身を変えていけること

◆ 他者のニーズを明確にし、そのニーズを自分がどのように満たせるかを見極める「他者内省(サービスとしてのキャリア)

 

◆ 社会は自分のどんな行動を求めているのか、自分のスキルが社会にどう役立つか、という「起業家的な問い」

◆ 小さな社会であるコミュニティへの参加が重要

◆ 新たなインプット(情報や知識)を蓄えた知識と合わせてアウトプットすることが本当の学び

◆ キャリアの8割は偶然の出来事によっておこる「プランドハップンスタンス理論」、香道が大切

 

◆ 行動は二つで、➀発信すること、②コミュニティへの参加

◆ 発信は、➀SNSでの発信、②受け皿としての発信(ブログ、ホームページ)、③身近な人への発信

◆ コミュニティのポイントは「心理的安全性」

◆ 同じ目的に向かうポッセ(仲間)を得る

 

 

この本の中盤では、「パラレルキャリアの実践」「7名の事例-現在進行形インタビュー」が掲載されています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ パラレルキャリアとは、本業を持ちながら、第二のキャリアを築くこと(by P.F.ドラッカー)

◆ 副業、複業は、講師・コンサルタント・プライベートレッスンやWEBライター・note・アフィリエーターがお薦め

◆「副業禁止」の抜け道は、ビジネスネームや坂下仁氏の「妻を社長にしなさい!」

◆ ボランティアやプロボノの活動をライフキャリアに反映させる

 

◆ じぃさん(58歳): システム開発者が資格試験を活かして様々な仕事を

◆ 木村信夫(47歳): ダメリーマンから片付けパパの最強メソッドでコミュニティ主宰

◆ 石井義之(46歳): エリートサラリーマンからIo T 資格とキャリアコンサルタント資格で死ぬまで現役

◆ 坂井二朗(53歳): 大手コンピュータメーカーからイメージコンサルティング、婚活支援、キャリアコンサルティングの複合サポート

 

◆ 百中宏幸(64歳): 定年再雇用後に65歳からアドラー心理学やWEBマーケティングを活かした起業を準備

◆ 竹丸勇二(60歳): 航空自衛隊から行政書士資格と日本語教師の道へ

◆ 三井宏文(62歳): 大手損害保険会社から人材紹介業、おじさん向けセミナー講師

 

 

本書の後半では、「定年後の働き方パターン」および「ライフキャリア~家族と傾聴」ついて紹介しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ アルバイト掛け持ちエンジョイ型(興味あるアルバイト)

◆ 収入確保しつつ準備型

◆ 起業(法人・個人事業主)型

◆ 再雇用と再就職(転職)について

 

◆ お薦めの仕事は、顧問・講師・ICT(情報通信技術)支援員・日本語教師・キャリアコンサルタント・タクシードライバー

◆ 職種は選ばす、好きな場所で働く

◆「働き続ける」には、アイデンティティとアダプタビリティが大切

◆「働かされキャリア」ではなく、生きがいを感じ、社会に貢献できる仕事を

◆ 奥さまの不満の原因は、➀上司風、②会話ドロボウ、③自称「聴いている」、④俺が聴きたいことを聴く、⑤無言アンコール、⑥俺のタイミングを察してくれ

 

この後半の「起業型」を説明する箇所(202~203ページ)に、拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)おすすめの本として紹介されています。

 

 

 

この本の最後には、「プロティアン対談」と題して、田中研之輔法政大学教授と著者の金澤美冬さんの対談が掲載されています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 組織任せにしない自律的なキャリアを築いていくのが「プロティアン」

◆「プロティアン」はコア層にしっかり届けながら、マスリーチも大事

◆「組織が主役のキャリア」から「自分が主役のキャリア」へ

◆ キャリアは一人で悩んでいては解決できない

◆ ビジネスと言うのは、打席に立った人が勝つ

 

 

田中研之輔さんの著書『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)はこちらです。

 

 

ブログの書評は、2019年9月14日付記事で、こちらです。

https://jun-ohsugi.com/column/protean70saimade/

 

 

本書の締めくくりとして著者は、「定年後も活躍できる人は、『影響される力』を持っている」と述べています。

 

 

「影響力」ではなく、「影響される力」というのがユニークで、誰からもどんどん影響を受けてジブンヲアップデートできるかどうか。これが定年後、みずみずしいライフキャリアを築くコツだ、と著者の金澤さんは力説しています。

 

 

まさにその通りで、私も「昔取った杵柄では飯は食えない」定年前後の起業家の方々にアドバイスしています。

 

 

この本は、まさに私が57歳で起業して以降、6年間にわたってやってきたことがそのまま書かれていて、随所に共感できるポイントが散りばめられています。

 

 

あなたも本書を読んで、定年前の準備、定年後のスタートを実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2608日目】