「生きるということは、すなわち歳を取るということです。それは身体が変化するということでもあります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1956年京都生まれ、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)で、京都教育大学教育学部、奈良女子大学文学部、近代姫路大学看護学部・教育学部、京都聖カタリナ高等学校看護専攻科非常勤講師を歴任し。専門の哲学に並行してアドラー心理学を研究、精力的に執筆・講演活動を行っている岸見一郎さんが書いた、こちらの書籍です。
岸見一郎『老いる勇気』(PHP文庫)
この本は、アドラー心理学やギリシャ哲学を学んできた著者が、「今、ここ」を精一杯生き、老いを愉しむ最上の幸福論を説いた書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.人生、下り坂が最高!
2.「でも……」の壁を越える
3.「生きている」だけで人の役に立てる
4.「今、ここ」を大切に生きる
5.執着があってもいいではないか
6.「大人」でなければ介護はできない
7.「できない」という勇気を持つ
8.「私たち」を主語に考える
9.「老いの幸福」を次代に伝える
この本の冒頭で著者は、「若い時は成長として感じていたその変化を、いつの頃からか衰えと感じるようになるー。それが、、多くの人にとっての老いの実感でしょう。」と述べています。
本書の前半では、「人生、下り坂が最高!」「でも……の壁を越える」および「生きているだけで人の役に立てる」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 不完全である勇気を
◆ 上ではなく、前を目指す
◆ 引き算ではなく「足し算」で生きる
◆「生産性」で人の価値は決まらない
◆ 朝目が覚めれば幸せ
◆ 他者の役に立っている「貢献感」は幸福の礎
◆ 病気は、生き直す契機
◆ 命の使い方を考える
この本の中盤では、「今、ここを大切に生きる」「執着があってもいいではないか」および「大人でなければ介護はできない」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ プロセスの一瞬一瞬が完全で、完成されたもの
◆人生を先送りしない、「今、ここ」を大切に
◆ 変えられるのは、私たち自身の意識
◆ 人生の見方をほんの少し変える勇気を
◆ 人の心の中に生き続ける
◆ どういう死に方をするかは、今をどう生きるか
◆ 自分の価値を自分で認められる
◆ 自分で決められる
◆ 自己中心性からの脱却
◆ 認知症の親が、生き方の理想を示す
◆「できる」ことに焦点を当てる
◆「今、ここ」に焦点を当てる
本書の後半では、「できないという勇気を持つ」「私たちを主語に考える」および「老いの幸福を次代に伝える」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ まずは自分が幸福であること
◆ 人間関係の中でしか喜びは生まれない
◆「できない」と言える勇気を持つ
◆ 定年後の悩みは対人関係の悩み
◆ 他者とのつながりを離れた幸せはない
◆ ありのままの自分を好きになる
◆ 生きていることがそのまま他者貢献になる
◆ 人生の意味は、貢献、他社への関心、協力である
◆ 毎日を機嫌よく生きる
◆嫌われることを恐れない
◆ 哲学は50歳から
◆「今、ここ」にある幸福を若い人たちに手渡す
この本の締めくくりとして著者は、「歳を重ね、それまでの人生で経験したことを『みな生かして統一』できることは喜びなのです。」と述べています。
あなたも本書を読んで、老いる勇気を持って「これからの人生をどう生きるか」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3084日目】