「空き家が、1000万戸にもなってしまったこと、そして管理不全の老朽マンションが全国で問題になっていること。たくさんの課題の背景にあるのは、これまでの『新築至上主義』です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、2023年10月1日、8日にNHK総合テレビで放送された『NHKスペシャル』ノシリーズ「老いる日本の ”住まい” 」の取材チームであるNHKスペシャル取材班が書いた、こちらの書籍です。
NHKスペシャル取材班『老いる日本の住まい 急増する空き家と老朽マンションの脅威』(マガジンハウス新書)
この本は、これからの日本の住まいをどうしていけばいいのか、人口減少時代の日本の住まいの未来を描いていくために書かれた本です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.縮小ニッポンで増え続ける空き家
2.ニュータウンと“住宅すごろく”の着地点
3.“2つの老い”に追い詰められるマンション
4.子どもたちの世代にツケを残さないために
5.住まいの終活を自分事として考える
この本の冒頭で著者は、「増える空き家、きっかけは核家族化」「マンションの老いを取り巻くさらなる問題」について説明しています。
本書の前半では、「縮小ニッポンで増え続ける空き家」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ 全国一空き家が多い東京都世田谷区は5万戸
◆ 最も空き家率が多い都道府県は、山梨県の21.3%
◆ 空き家所有者の半数が「活用予定なし」
◆ 問題の長期化を招く相続の混乱
◆「特定空き家」に指定・代執行も、更地にするまでには途方もない手間
この本の中盤では、「ニュータウンと“住宅すごろく”の着地点」および「“2つの老い”に追い詰められるマンション」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 昭和30年度以降に郊外で開発された1000戸以上の「ニュータウン」高齢化
◆ 世代交代が進まなかった街
◆ 止まらない住宅供給、進まない中古市場
◆ 住宅すごろくは、成長期に成立した期間限定の「理想」
◆ マンション建物の老朽化と住民の高齢化というマンションの「2つの老い」
◆ 出て行くはずの場所が終の棲家に
◆ 認知症、孤独死など、最大の敵はマンション住民の「無関心」
◆ マンション管理組合の50年の先送りのツケ
本書の後半では、「子どもたちの世代にツケを残さないために」および「住まいの終活を自分事として考える」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 年間5000戸を買い取る中古戸建て再販ビジネス
◆ DIY型賃貸借で築100年の空き家がよみがえる
◆ 鳩山ニュータウンの学生向けシェアハウス
◆ 空き家対策特措法の「自治体と民間の連携」および「自治体の権限強化」
◆ 京都市の「おせっかい支援」で管理不全マンションが半減
◆ 管理組合主導の高齢者見守りシステム
◆ 密なコミュニティは不動産価値も高める
◆ 戸建からマンションへ、ニュータウンの中で住み替える
◆ 一斉に老いないための街づくり
この本の締めくくりとして著者は、「取材していて驚いたことの1つは、実は空き家問題は、世界の中で日本に特有の問題だということです。」「マンションの老朽化は、取材している中で、空き家より難しい問題ではないかと感じていました。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「なんとなく」先送りするのではなく、自らの実家など「老いる日本の住まい」について考え、行動を起こしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3327日目】