日本の政治経済から、日本を取り巻く世界の情勢、刻々変化する時代状況まで、大前研一さんが自由に論じている雑誌(『プレジデント』)の連載記事や対談記事をまとめた本があります。
本日紹介したいのは、平成維新の会を発足させて日本の改革を訴え、都知事選にも出馬した経験を持つ大前研一さんが書いた「政策提言」の書シリーズ第一作目です。
大前研一『大前研一 日本の論点』(プレジデント社)
この本は、2006年1月からプレジデント誌で連載してきた『日本のカラクリ』および対談記事から抜粋、加筆修正してできた書です。
ここで採り上げているトピックスは、大前研一さんが従来から、その著書で論じてきたテーマで、特に原点とも言える書は、1993年に書かれた『新 大前レポート』(講談社)だということです。
この時以来、大前さんが採り上げているトピックスは、すべて日本をよくするための「改革案」で、83法案の政策提言から成っている、と言います。
そのうち何一つとして実現した法案はなく、日本の中央集権体制の堅牢さに、著者の大前さんも落胆を隠せません。
本書によれば、過去30年の歴史の中で、日本を変えるチャンスは次の3回あったと言います。
1.細川護煕政権の誕生(支持率92%)
2.小泉純一郎政権の郵政選挙後
3.橋下徹大阪市長の登場
残念ながら、そのいずれのチャンスも実現に至りませんでした。大前さんによれば、10年に1度は日本の改革のチャンスが来るのではないか、ということです。
現在の安倍政権には、それを期待できない、というのが大前さんの見方ですが、実際にどうなのでしょうか。
本書で採り上げている「日本の論点」について、主要なものを以下に挙げておきます。
1.ケインズ経済理論の限界
2.クオリティ国家10を見よ
3.下請けなのに強い台湾企業
4.ネット時代の三種の神器は、①ポータル、②決済、③物流
5.世界の滞在型旅行業
6.競争させない教育の弊害
7.世界の農業最適地に飛び出す若者
8.国民医療費増大を止める
9.都構想と道州制が世界からカネを呼び込む
10.特区による一国二制度を
11.本物の官僚改革
12.福島第一原発事故の本当の原因
13.世界の宗教を理解する
14.ジャック・アタリとの対談
15.三浦雄一郎との対談
本書は、2013年に刊行後に大きな反響を呼び、以後毎年、世界情勢の変化を反映して「改訂版」が出版されています。
2014年および2015年には、それぞれ西暦をタイトルに加えて、改訂新版が出されたので、以下にリンクを貼っておきます。また後日、内容については本ブログで採り上げます。
まずは、シリーズ一作目として刊行された本書から読んで、論点を整理して理解することをお薦めします。
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では、今日もハッピーな1日を