「日本のカネのあり方は国力を衰退させ、国民を貧しくします。円は国際金融市場を通じて中国に供給され、中国の軍拡を助けるのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1946年高知県生まれ、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、日本経済新聞入社、ワシントン特派員、香港支局長、東京本社編集委員等を歴任、日本経済研究センター欧米研究会座長を経て、現在は産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員の田村秀男さんが書いた、こちらの書籍です。
田村秀男『日本経済は再生できるかー「豊かな暮らし」を取り戻す最後の処方箋』(ワニブックスPLUS新書)
この本は、「さまざまな思惑が渦巻く国際政治情勢のほうはともかく、せめて経済の安定達成の道筋くらいは見つけたい。」という思いで記された書です。カギは「グローバリゼーション」にあります。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.今、世界経済に何が起きているのか?
2.すべてが連動している現代経済
3.これからの日本経済をどうすればいいのか
この本の冒頭で著者は、「我が日本の国際経済における責任の重大性がわかるはずです。カネ余りをなくし、日本で生み出されるカネは日本国内で使うべきなのです。」と述べています。
本書の前半では、「物価高騰の真犯人はウクライナ侵攻なのか」および「ウクライナ侵攻をめぐる米国、欧州、中国の関係」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 物価高騰はウクライナ侵攻前から
◆ カギを握るのは、米国の金融政策
◆ ロシア制裁への影響で苦しいヨーロッパ
◆ ロシアは抜け道を使って外貨を獲得
◆ ヨーロッパのロシア離れ
◆ したたかな中国
◆ 激化していく米中対立
◆ ウクライナ侵攻で得をしたのは金融資本
この本の中盤は、「深刻な影響を受けるのは日本」および「ウクライナ侵攻後の中国」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 投機資金が翻弄する国際金融市場
◆ 投機マネーが世界を分断する
◆ 急激な円安も投機の産物
◆ 円資金が膨張してもGDPが増えない
◆ ロシアは巨大な北朝鮮
◆ 核あっての大国ロシア
◆ 際立ってきた米中関係
◆ 成長できなくなった中国経済
本書の後半では、「悪い円安とは」「悪い円高はあるのか」「デフレ脱却ができていないことが最大の問題」「経済をダメにする政治とマスメディア」および「将来世代のために」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 円安を利用した国内設備投資を
◆ 緊縮財政で国民生活が壊れる
◆ プライマリーバランスという呪縛を解け
◆ 属国の宿命
◆ 始まった日本衰退
◆ 日本だけ実質賃金が下がる
◆ 続く「脱デフレ」の戦い
◆ カネを動かす
あなたも本書を読んで、「日本経済を再生する処方箋」を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2949日目】